呪呪呪/死者をあやつるもの

2023年2月10日(金)より新宿バルト9ほか全国公開!

監督:キム・ヨンワン
原作・脚本:ヨン・サンホ
キャスト:オム・ジウォン 、チョン・ジソ 、チョン・ムンソン 、キム・イングォン 、コ・ギュピル 
提供:CJ ENM  制作会社:クライマックス・スタジオ 
共同制作:CJ ENM、スタジオドラゴン、キーイースト
配給:ハピネットファントム・スタジオ 
呪呪呪 じゅじゅじゅ ジュジュジュ JUJUJU

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Special Contents

プロダクションノート

 ある殺人事件現場で、被害者と容疑者の死体が揃って発見された。しかし容疑者のほうの死体は死後3カ月が経過したものであることが判明し、警察の捜査は混乱に陥る。
 一方、独立系ニュースチャンネル「都市探偵」のジャーナリストであるイム・ジニ(オム・ジウォン)は、ラジオ番組に出演中、リスナーから電話を受ける。その電話の主は、例の殺人事件の犯人を名乗り、ジニに生中継でインタビューをするよう求めた。ジニは要望に応じインタビューを敢行するが、その男は、蘇生した死体による殺人事件があと3件起きると予告して朽ち果てる。
 そして1件目の殺人が予告された日、現場に待機するマスコミたちの前に現れたのは、例の殺人事件の容疑者と同じ様相をした操られた死体“ジェチャウィ”の軍団だった――!

 ジェチャウィとは、高麗時代から李氏朝鮮時代初期にかけて語られた民話や怪奇譚などを集めた古典『慵斎叢話(ようさいそうわ)』の第3巻に描かれている伝説上の怪物である。

――手足は黒く、動きも不自然である。人の言葉を話すことができ、主に生きていた頃の記憶から、ある程度の知能を保持している。――

 ジェチャウィが引き起こす連続殺人事件の謎に迫る、映画『呪呪呪/死者をあやつるもの』。本作の原作・脚本を手掛けたのは、ゾンビ映画『新感染 ファイナル・エクスプレス』(16年)と続編『新感染半島 ファイナル・ステージ』(20年)で世界を熱狂させたクリエイター、ヨン・サンホ。監督は、韓国の第8回グレート・ショートフィルム・フェスティバルで3つの賞を獲得して一躍有名になり、2018年にマ・ドンソク主演の映画『ファイティン!』で長編映画デビューを果たしたキム・ヨンワンだ。キム・ヨンワン監督は「(ヨン・サンホの)ジェチャウィというアイデアを元に、妥協のないアクションと目を見張るような映像を撮りたかった」と意気込みを語る。

 ヨン・サンホとキム・ヨンワンがタッグを組んだのは本作が初めてではない。本作の前年に放送された、映画の前日譚にあたるドラマ・シリーズ『謗法 ~運命を変える方法~』(20年)は、ジャーナリストのジニと、謗法師の少女ソジンが協力して巨悪を暴く物語。ヨン・サンホはこれで初めてドラマ・シリーズ全12話の脚本を担当し、キム・ヨンワンが演出を手掛け、スタイリッシュな映像と緊迫感のあるストーリー展開で視聴者を魅了した。映画では再び、二人の主人公ジニとソジンが手を組むこととなる。

 イム・ジニ役は、映画『女は冷たい嘘をつく』(16年)、『MASTER/マスター』(16年)、『感染家族』(19年)のオム・ジウォン。ドラマから引き続き主演を務める彼女は、「ドラマを見ていない人でも楽しめる映画」と太鼓判を押している。

 ペク・ソジン役には、映画『パラサイト 半地下の家族』(19年)のパク・ダヘ役、ドラマ『イミテーション』(21年)主人公の一人イ・マハ役の主演のチョン・ジソ。「ドラマ・シリーズの世界観がとても新鮮で魅力的だったので、大スクリーンで展開される物語にすごく期待しています」と語っている。

 韓国のシャーマニズムとオカルトを融合させたヨン・サンホのオリジナルストーリーは、標的とする者の漢字の名前と写真、所持品だけを使って呪う古代の呪術「謗法」を軸に展開する。

 「アジアの伝説的な生き物や恐ろしい民話を、現代風に作り直したいと思っていました」とヨン・サンホは言い、「死体が蘇り、謗法師によって操られるというジェチャウィというアイデアは、私の想像力をかきたてました」と誕生秘話を語る彼に、キム・ヨンワン監督も「謗法の世界に伝説の要素を加えることで、新しい物語が生まれると思いました」と共感している。

 『新感染 ファイナル・エクスプレス』で“Kゾンビ”現象を生み出したヨン・サンホを筆頭に、本作では“Kゾンビ”に精通したスタッフが集結した。

 特殊メイクは、『新感染』シリーズを始め、『サバハ』(19年)、『哭声/コクソン』(16年)、『神と共に』シリーズ(17年)などのファン・ヒョギュンが担当。彼はキム・ヨンワン監督のアイデアをもとに、ジェチャウィの黒い唇を強調するメイクを施したり、唇と手首に毛細血管を模したシリコンパッチを貼り付けたりと、これまでのゾンビとは違う、印象的なビジュアルを完成させた。ジェチャウィの手首にあるユニークな刻印は、アートチームが研究を重ね、ジェチャウィの個体ごとに異なる記号や文字を入れたシリコンパッチを作成したものである。

 撮影監督は『新感染』シリーズにも参加したイ・ジフン。各シーンのアングルやサイズによってフレームレートを変え、ジェチャウィのスピード感を際立たせている。また、ジェチャウィの冷たいイメージに合うように青みがかった照明を使い、ジェチャウィ軍団のダイナミックなアクションを強調する工夫を凝らしている。

 さらに、プロデューサーのハン・ドンファン、プロダクションデザイナーのチョン・ミンギョン、ドラマ・シリーズ『謗法 ~運命を変える方法~』でも音楽監督を務めたキム・ドンウクも、チームに参加した。

 本作の見どころのひとつであるアクションシーンを演出するため、『悪人伝』(19年)『アシュラ』(12年)などのスタントコーディネーターのチェ・ボンロクと、『新感染』シリーズやNetflixオリジナル・シリーズ『キングダム』(19年)でゾンビの動きを考案した振付師チョン・ヨンが招聘された。

 キム・ヨンワン監督が「ジェチャウィの不自然な動き、ターゲットへの集中力、圧倒的なパワーを表現することに注力しました」と語った通り、一体となって動くジェチャウィ軍団の迫力やその動き無駄のなさは、従来のゾンビ映画とは全く異なるものがある。

 振付師のチョン・ヨンは、ジェチャウィの歩幅、目線、腕の角度まで細部にまでこだわった。キム・ヨンワン監督と最後の瞬間までディテールを話し合い、その苦労がジェチャウィの不気味な動きを生み、本作の独特の雰囲気と緊張感を盛り上げている。

 また、スタントコーディネーターのチェ・ボンロクが「蟻の大群をイメージした」と語るジェチャウィ軍団によるカーチェイスシーンは、ほぼ実写で撮影され、本作の隠れた見せ場となっている。

 ジェチャウィを演じるために、ベテランの“ゾンビ俳優”たちが投入されたが、彼らにとっても、ジェチャウィの抑制された動きと冷酷な表情は難敵だったようだ。俳優たちは1〜2カ月の訓練を受け、ジェチャウィのシンクロした動きを完成させ、彼らが慣れ親しんだゾンビの動きから脱却することを目指した。

 ジェチャウィが軍隊のように正確に動いてターゲットの車を取り囲み、疾走する車両にジェチャウィが飛び乗るシーンでは、ワイヤーにつながれた俳優とレールに取り付けられた10台近い車とのタイミングを合わせることが何よりも重要なポイントになった。ちょっとしたタイミングのズレで怪我をしかねない場面だが、スタントチームと撮影チームの綿密な計画により、大胆なカーチェイスシークエンスが出来上がり、映画にダイナミックさと緊張感を与えている。

 ヨン・サンホが、様々なジャンルを融合させ、映像的な面においても見応えのあるエンターテインメント映画をイメージしたと胸を張る本作。観客は、新たに生まれた韓国のゾンビ“ジェチャウィ”と、呪術師“謗法師”が繰り広げるダークなミステリー・アクションの世界に魅了されることだろう。