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11/4(月)東京国際映画祭 公式上映後舞台挨拶に長塚京三さん&吉田大八監督が登壇!
祭日の夜、夜遅くの上映にも関わらず、満員御礼で誰も席を立つことなく実施された舞台挨拶。
Q&Aでも次から次へと質問が上がり、多くの観客の皆様とのティーチインを実施致しました!
上映後に登壇した長塚さんは「余計なことかもしれませんが、今年で僕が映画俳優になって50年目だそうで。今日こうして皆さんが映画を観てくださったことも、お祝いの一つとしたいです」と拍手喝采の中で挨拶。
一方、吉田監督は、本作の制作経緯に触れながら「ある程度自分がこれからどのよ うに歳をとっていくのかと想像し始める年齢になって、そんな時に筒井さんの原作小説を30年ぶりに読み直しました。僕は物事を考える時に自分でそれを映画化することで深く考える事が出来るので、まずはなんとなく脚本化してみました」と明かし「この映画は自分にとっても社会にとっても大事な問題を考えるきっかけになったと思う」と実感を込めてお話されました。
本作への出演オファーがあった当時を振り返った長塚さんは「まるで私を当て込んで作ったような話のようで、これも何かの縁だと思いました」「吉田監督自ら脚本を携えて会いに来てくださって、即答でお引き受けしました」とニッコリ。
これに吉田監督は「当初は原作者の筒井康隆さんを想像して脚本を書いていたが、途中から長塚さんが儀助のイメージとして浮かび上がってきて、そこから長塚さんが動き出して止まらなくなった」と話しました。吉田監督は脚本執筆中に長塚の著書を読んだそうで「長塚さんの書かれた本を何冊か読んだ時に、儀助のモノの考え方が長塚さんの書かれたものを通してズシッと響いた気がした。儀助がここにいるとの確信を抱いたのはその時。長塚さんが『当て込んで作ったようだ』というのはその通りです」と長塚のパーソナルな部分に影響を受けて脚本執筆が進んだことを明かしました。
本作では、儀助の大学の教え子を瀧内公美さん、バーで出会う大学生を河合優実さん、元妻を黒沢あすかさんが演じていますが、現在79歳の長塚は「3人の女優さんはいずれも妖艶な方々。僕の主演映画は今回12年ぶりでそれまで映画に出ていなかったわけではないけれど、近しく今を時めく女優さんとお芝居をしたことがなかったわけで。今回3人のウルトラ妖艶な素晴らしいピカピカの女優さんたちを独り占め出来て幸せでした」とユーモア交じりに実力派女優たちとの共演を回想し「これは誰にお礼を言ったら良いのかなあ?」とジョークを飛ばして会場を笑わせました。
また、本作のモノクロ撮影に触れて吉田監督は「モノクロ映像にすると物語の没入感が凄い。後半は特にモノクロ映像が効果的だと、完成したものを観て感じた」と手応えをにじませ、続いてモノクロとカラーでの芝居の質の変化について聞かれた長塚さんは「基本的に変わりはありません」としながら「モノクロでやるというのは撮影が始まって初めて知ったので…驚きました」とまさかの舞台裏を明かしました。