NEWS
NEW! 公開初日よりバリアフリー音声ガイド・バリアフリー日本語字幕に対応
映画公開初日2025年1月17日(金)より対応いたします。
<音声ガイド>
作品のデータをダウンロードして、イヤホンを接続してお持ちいただければ、
全ての上映劇場、上映回でご利用いただけます。
<日本語字幕>
『UDCast』アプリをインストールした字幕表示用のメガネ型端末に、
作品のデータをダウンロードして、専用マイクを付けてお持ちいただければ、
全ての上映劇場、上映回でご利用いただけます。
上映情報は劇場HPをご確認ください。
https://eigakan.org/theaterpage/schedule.php?t=teki
「敵」舞台挨拶付き先行プレミア上映会 イベントレポート
TIFF3冠の快挙に女優陣から花束贈呈
「50年の俳優人生で初めて自分に感動した」
引退も過った長塚京三に舞い込んだ念願の役を語る
12月11日(水)、映画「敵」主演・長塚京三と共演の瀧内公美、河合優実、黒沢あすか、吉田大八監督が全員揃って初登壇!!東京国際映画祭での三冠獲得を祝し、女優陣から長塚、吉田監督にサプライズの花束贈呈が行われたほか、2024年を振り返りそれぞれにとっての“敵”について語っていただきました。
第37回東京国際映画祭にて東京グランプリ、最優秀男優賞、最優秀監督賞受賞の三冠に輝いた映画『敵』(2025年1月17日公開)。そのプレミア上映会が12月11日に都内映画館で実施され、主演の長塚京三、共演の瀧内公美、河合優実、黒沢あすか、そして吉田大八監督が参加した。
チケット完売の中で行われたこの日、女性陣からサプライズで真っ赤なバラの花束を受け取り、3冠の祝福を受けた長塚と吉田監督。主人公・渡辺儀助役で12年ぶりの映画主演を務める長塚は、この度の快挙に「ビックリしました。受賞当日は会場に監督と並んで座っていたので、名前を呼ばれたときは二人とも飛びあがりました」と照れ笑いも、作品について「出演した自分が言うのもおこがましいですが、俳優を50年やって来て自分の姿を見て自分の声を聞いて初めて感動しました。大人気ないかもしれませんが、胸に来るものがありました」と手応えを得ていた。
吉田監督も「撮影が去年の前半、東京近郊の町の小さな家の中でみんなでコツコツ小さくやっていた映画です。それがあのような華やかな場所でみんなに褒めてもらえるなんて。思ってもいない結果でした。こういう夢が映画にはあるんだと改めて思いました」と三冠受賞の喜びを噛みしめていた。
儀助の大学教授時代の教え子・鷹司靖子役の瀧内は長塚との共演に「幼い頃からテレビや映画で見てきた大先輩であり、日本の宝である長塚さんの現場での佇まいを隣で拝見し、勉強でしかなかったです。最終日の前日には『もう会えないんだ』と思うと涙が止まらなくなりました。それくらい豊かな時間を過ごさせていただきました」と感激していた。
儀助を先生のように慕う大学生・菅井歩美役の河合は「撮影中は儀助さんと長塚さんを重ねて見ていたので、目や体から滲み出るものを受けて集中力を使いました。長塚さんは本当に素晴らしくて、儀助さんは映画の主人公として魅力的な役。映画を観て長塚さんのお芝居に感動して、素晴らしい役者さんとご一緒出来ていたんだと改めて思いました」としみじみ。
儀助の元妻・信子役の黒沢は「長塚さんとはスマートなセリフの受け渡しをすることが出来ました。リハを何度も重ねる中で自分がクリアになって、長塚さんのお陰で自分の中身とセリフに雑味がなくなっていくのを感じました」と感謝。
これら実力派女優陣との共演に長塚は「とても緊張しましたけれど、凄くいい勉強をさせていただいた。皆さん力のある女優さんでぶつかって来られるわけですから、受け止めるのに一生懸命でした。本当に素晴らしい女優さん方でした」と最敬礼だった。
長塚抜擢の理由について吉田監督は「脚本執筆時は原作者の筒井康隆先生の姿を想像していましたが、書き終わった時に長塚京三さんが思い浮かんだ」と明かし「長塚さんのお体を借りて決定稿を完成させました。撮影前に何度か読み合わせをしたり、雑談をさせていただけたことで、撮影前に自分の中で長塚さんと儀助を重ね合わせる作業が出来たのは良かった」と当て書きに納得の表情。
一方、長塚は本作のオファーについて「コロナ禍があって、役者活動もここで辞めるのを余儀なくされるのかと思っており、歳をとって人生を閉じていく人間の役をやらなければと思っていた矢先の事だったので、『あ、来るものが来るんだ』と思った」と待ち受けていた役に出会えた喜びを口にしていた。
タイトルにちなんで自身の“今年の敵”を発表。黒沢は自分が理想とするルートを走ってくれないという理由で「カーナビ」と明かし場内爆笑。河合は「怠惰な心」といい「これは自分の失くしたいところであり勝ちたいところ。怠けたくなる欲求に勝てないです、いつも。今年もやるべき優先するべきことに辿り着けませんでした」とブレイクしているのにもかかわらず、反省しきりだった。
瀧内は「弱さと強気」といい「今年は本当に目まぐるしく、自分の弱さが露呈した1年だと思います。そんな時に強気で立ち向かって行こうとすると空回り。反省ばかり」としながら「来年は素直さと謙虚さと感謝を忘れず、生きていきたい」と新年への抱負を述べた。
一方、穏やかなイメージのある長塚は「わがままなわたし」と発表し「僕は短気でどんなこともわがままなわたしがぶち壊すことが多い。これからは人にも自分にも優しく、僕も許すから皆さんも許してというスタンスで生きていきたい」と意外な一面を明かして会場を驚かせていた。
最後に主演の長塚は「みなさん、ゆっくり楽しんでください」とこれから本編を鑑賞する観客にメッセージ。吉田監督も「今日は皆さんのお陰で盛り上がった舞台挨拶となり、嬉しくて驚いています。ただこれから映画が始まりますので、舞台挨拶の内容は一度忘れていただいて、まったく違う4名が登場しますので、映画を楽しんでご覧ください」と呼び掛けていた。
『敵』舞台挨拶付きプレミア先行上映会実施のお知らせ
1月17日(金)公開「敵」の舞台挨拶付きプレミア先行上映会を12月11日(水)に開催することが決定いたしました!
みなさまのご来場をお待ちしております。
【開催劇場】
テアトル新宿
(新宿区新宿3-14-20 新宿テアトルビルB1F)
【開催日時】
12月11日(水)
18:00の回 上映前舞台挨拶(20:23 本編上映終了)
【登壇者(予定)】
吉田大八監督、長塚京三、瀧内公美、黒沢あすか、河合優実
※登壇者は予告なく変更・追加となる場合がございます。
※敬称略
【料金】
2,000円均一
※各種割引、ムビチケの使用不可
※各種ご招待券、株主ご招待券、無料券の使用不可
【チケット販売】 オンラインチケット予約、および劇場窓口にて販売いたします。
※全席指定
※立見券の販売はございません。
※お一人様4枚までの販売とさせて頂きます。
【オンライン販売】
12月4日(水)19:00~上映時間20分前まで販売
※チケット販売当日はアクセスが集中し、つながりにくい場合がございます。予めご了承ください。
【劇場窓口販売】
12月5日(木)劇場OPEN時~ ※残席があった場合
※劇場窓口販売前に座席指定席が完売した場合、窓口でのチケット販売はございません。
※混雑状況等により販売開始時刻は前後する場合がございます。
※窓口の営業時間は開館時刻から最終回上映開始時刻までとなります。
≪注意事項≫
□登壇者は都合により、予告なく変更となる場合がございます。
□場内での撮影、録音等は固くお断りいたします。
□マスコミの撮影が入る場合がございます。その際、お客様が映像等に映り込む可能性がございますこと予めご了承ください。
□転売を目的としたご購入は固くお断りいたします。
□ご購入、お引換後の鑑賞券の変更や払い戻しはできません。
□急遽変更、天候、災害その他やむを得ない事由により中止になる場合もございます。あらかじめご了承下さいませ。
【車イスでご来場をご希望のお客様へ】
テアトル新宿では、スムーズなご入場のため、車いすでの鑑賞を希望される場合、事前のご連絡をお願いしております。
お手数ですが、ご鑑賞の日時がお決まりの際は、下記の窓口まで事前にご連絡いただくか、上映開始時間に十分な余裕を持ってお越しください。
■その他、混雑状況など詳細につきましては、劇場までお問合せ下さい。
テアトル新宿 03-3352-1846
※営業時間外、混雑時はテープでのご案内となります。
第37回東京国際映画祭 主要三冠の快挙!
11月6日、東京・有楽町のTOHOシネマズ日比谷にて、第37回東京国際映画祭のクロージングセレモニーが行われ、映画『敵』の長塚京三さんが最優秀男優賞、吉田大八監督が最優秀監督賞、そして最高賞にあたる東京グランプリ/東京都知事賞を見事受賞、主要3冠の快挙となりました!
長塚京三さんの79歳での最優秀男優賞受賞は、東京国際映画祭史上最高齢での受賞となります。
最優秀男優賞の発表には、本映画祭 コンペティション部門の審査委員長を務めた香港の俳優トニー・レオンさんがプレゼンターとして登壇。
「スクリーンに登場したその瞬間から、その深み、迫真性で私たちを魅了しました」と絶賛の講評と共に、壇上に登場した長塚さんにトロフィーを手渡しました。
長塚さんは、2日前の舞台挨拶から間もない発表だったことに触れ、「あまり急なことで、びっくりしてまごまごしています」とコメント。その上で「敵という映画に出させていただいて、これは歳をとってそしてひとりぼっちで助けもなく敵にとりこめられてしまうという話なんですけれども、結構味方もいるんじゃないかと気を強くした次第です。もうぼつぼつ引退かなと思っていた矢先だったので、うちの奥さんは大変がっかりするでしょうけど、もうちょっと、ここの世界でやってみようかなという気にもなりました。」と作品に触れながら受賞の喜びを明かし「東京国際映画祭、ありがとう。味方でいてくれた皆さん、どうもありがとう。」と観客に感謝を伝えました。
続いて発表された最優秀監督賞を受賞した吉田監督は、「この小さな映画を誕生から旅立ちまで見送ってくれている全てのスタッフ、俳優の皆さんに心から感謝します。まだ自分がいい監督かということに自信は持てませんが、間違い無く皆さんのおかげでこの映画はいい映画になったと思っています」と感謝と共に、本作への自信を滲ませました。
最後に発表された本映画祭の最高賞にあたる、東京グランプリ/東京都知事賞の発表では、再び審査委員長のトニー・レオンさんが壇上に登場。「本当にこの素晴らしい映画、心を打ちました。知性、ユーモアのセンス、人生の様々な疑問に我々は皆苦戦するのですが、本当に素晴らしいタッチで、シネマを感情的な形のものとして、全て完璧に仕上げたと思っております。エレガントで、新鮮な映画表現」と映画『敵』を絶賛。
再び長塚さんと舞台に登壇した吉田監督は「味方も意外と多いと気づくことができてよかったです。僕も長塚さんも皆さんの敵であり、同時に味方でありたいと思っている」と話し、会場に向けて改めて感謝を伝えました。
11/4(月)東京国際映画祭 公式上映後舞台挨拶に長塚京三さん&吉田大八監督が登壇!
祭日の夜、夜遅くの上映にも関わらず、満員御礼で誰も席を立つことなく実施された舞台挨拶。
Q&Aでも次から次へと質問が上がり、多くの観客の皆様とのティーチインを実施致しました!
上映後に登壇した長塚さんは「余計なことかもしれませんが、今年で僕が映画俳優になって50年目だそうで。今日こうして皆さんが映画を観てくださったことも、お祝いの一つとしたいです」と拍手喝采の中で挨拶。
一方、吉田監督は、本作の制作経緯に触れながら「ある程度自分がこれからどのよ うに歳をとっていくのかと想像し始める年齢になって、そんな時に筒井さんの原作小説を30年ぶりに読み直しました。僕は物事を考える時に自分でそれを映画化することで深く考える事が出来るので、まずはなんとなく脚本化してみました」と明かし「この映画は自分にとっても社会にとっても大事な問題を考えるきっかけになったと思う」と実感を込めてお話されました。
本作への出演オファーがあった当時を振り返った長塚さんは「まるで私を当て込んで作ったような話のようで、これも何かの縁だと思いました」「吉田監督自ら脚本を携えて会いに来てくださって、即答でお引き受けしました」とニッコリ。
これに吉田監督は「当初は原作者の筒井康隆さんを想像して脚本を書いていたが、途中から長塚さんが儀助のイメージとして浮かび上がってきて、そこから長塚さんが動き出して止まらなくなった」と話しました。吉田監督は脚本執筆中に長塚の著書を読んだそうで「長塚さんの書かれた本を何冊か読んだ時に、儀助のモノの考え方が長塚さんの書かれたものを通してズシッと響いた気がした。儀助がここにいるとの確信を抱いたのはその時。長塚さんが『当て込んで作ったようだ』というのはその通りです」と長塚のパーソナルな部分に影響を受けて脚本執筆が進んだことを明かしました。
本作では、儀助の大学の教え子を瀧内公美さん、バーで出会う大学生を河合優実さん、元妻を黒沢あすかさんが演じていますが、現在79歳の長塚は「3人の女優さんはいずれも妖艶な方々。僕の主演映画は今回12年ぶりでそれまで映画に出ていなかったわけではないけれど、近しく今を時めく女優さんとお芝居をしたことがなかったわけで。今回3人のウルトラ妖艶な素晴らしいピカピカの女優さんたちを独り占め出来て幸せでした」とユーモア交じりに実力派女優たちとの共演を回想し「これは誰にお礼を言ったら良いのかなあ?」とジョークを飛ばして会場を笑わせました。
また、本作のモノクロ撮影に触れて吉田監督は「モノクロ映像にすると物語の没入感が凄い。後半は特にモノクロ映像が効果的だと、完成したものを観て感じた」と手応えをにじませ、続いてモノクロとカラーでの芝居の質の変化について聞かれた長塚さんは「基本的に変わりはありません」としながら「モノクロでやるというのは撮影が始まって初めて知ったので…驚きました」とまさかの舞台裏を明かしました。
東京国際映画祭で「敵」ワールドプレミア!
10月31日、開催中の第37回東京国際映画祭にて、映画「敵」がコンペティション部門に選出され、ワールドプレミア上映が行われました。
当日は吉田大八監督が登壇し、上映後に観客のみなさまと闊達なQ &Aも実施。
有意義な上映会となりました。
上映後に登場した吉田監督は、「今日は朝一番から、あんまり朝にはふさわしくないかもしれない映画を見に来ていただいてどうもありがとうございます。よろしくお願いします。」とご挨拶。
今回ワールドプレミアとなる上映会の終了後ということで、皆さんの顔見て「敵」に見えますか?という司会からの質問には「まだわからないです。」と笑顔を交えて回答。
まず、本作をなぜ「モノクロ」で撮影されたのか、あえて初めてのモノクロに挑んだ理由と映画が出来上がった印象を聞かれた監督は「本当に正直に言うと、古い日本の家を撮影する際、どういう風にしながら撮っていたのかなという参考のために色々古い映画を見たんですね。それに影響されてというのはあります。
でも、皆さんご覧になっておそらく感じられたと思うんですけれども、映画は始まって多分2、3分で、 今自分が観ている作品がモノクロかカラーかということは多分問題じゃなくなるんですよね。日常に比べてその要素を制限している分、映画に対する没入感がより強くなると思いました。」とモノクロ撮影に挑んだ感想を述べた。
さらに筒井康隆氏の原作の映画化の経緯については、「きっかけはちょうどコロナで本屋さんも閉まって、あまり外に出かけられたりできない時に、家にある本作をふと手に取って読み返したら、全然若い時読んだ時とは印象が変わっていて。自分が年を取ったせいもあるし、当時のコロナの状況で、みんなが儀助(主人公)みたいな感じだと感じたんです。色々な意味でとても切実なものを感じて、脚本を書き始めたのがきっかけでした。」と当時を振り返った。
さらに今回は鑑賞されたお客様からの質問も盛りだくさんのQ&Aとなりました。