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NEW! 綾野剛演じる作家・矢添の“こじらせ日常”新動画、場面写真 解禁
「街を一緒に散歩してくれればいい。部屋の中でのつき合いは、いらないというわけだ」
執筆する恋愛小説に自身を投影、「精神的な愛の可能性」を探求する作家・矢添の日常
妻に捨てられた過去を持つ矢添は、執筆する恋愛小説の主人公に自身を投影し、「精神的な愛の可能性」を探求している。
劇中では、矢添の書く小説が映像として映し出されているが、【矢添自身を投影している小説の主人公A】も矢添と同じく綾野剛が演じている。
「街を一緒に散歩してくれればいい。部屋の中でのつき合いはいらないというわけだ。」――素直に一緒にいたいと言えないなんともこじらせたセリフ。矢添と小説の中のA。当然ながら思考は似ているが、ちょっとしたしぐさの違いにそれぞれのクセが見え隠れするのが味わい深い。
そんな矢添の日常に絡む大学生・紀子(咲耶)や、なじみの娼婦・千枝子(田中麗奈)、小説の中のAと対するB子(岬あかり)・・・女性たちは、そんな彼の心のうちを見抜いているかのように、彼の言葉を受け流し、彼を凌駕していく――。
場面カットではさらに矢添の一人暮らしの日常生活にフォーカス。1960年代という時代設定にリアリティを与える昭和レトロの美術セット、そして“目は口ほどにものを言う”を体現している綾野剛の瞳にも要注目だ。
女を愛することを恐れる一方、愛されたい願望をこじらせる40代小説家の日常、続報もお楽しみに
NEW! 完成披露上映会舞台挨拶オフィシャルレポート

本作の完成披露上映会を 11 月 18 日(火)にテアトル新宿(東京・新宿)にて開催、上映前の舞台挨拶に主演の綾野剛さん、咲耶さん、田中麗奈さん、荒井晴彦監督が登壇した。
『花腐し』に続き、2 度目の荒井組参加となった綾野さんは、お披露目の日を迎え
「率直に今日という日を迎えられて嬉しいです。映画はいろんな見方があると思いますが、この作品は“目で見る”というより、“耳で見る映画”であり“読む映画”とも言えると感じています。“珍味”な作品だと思うので、ぜひ味わって見てほしいです。僕自身、試写で見た時に、現場では感じられなかった味わいをたくさん感じました。咲耶さん、田中麗奈さん、岬(あかり)さんが演じられた 3 人の女性の在り方がとても豊かで、いまの時代にこの作品が出ていく理由というところで、『強いメッセージを込めた』というよりは、言葉の美しさや滑稽さ――小説家であり、言葉を生業にしている矢添という男から放たれる言葉がどこかおかしく、ある種、いまの時代でいうところの“化石男”と言える男なので、そういう部分を楽しんでいただけたらと思います」と本作への思いを静かに、しかし熱く語る。

吉行淳之介の私小説的とも言われる小説を映画化した荒井監督は、この原作に惹かれた理由を尋ねられると「言いづらいな…」と苦笑を浮かべて口ごもる。すかさず、綾野さんが“通訳”として荒井監督の隣に立ち、舞台上で内緒話をする一幕に会場からも温かい笑いが起きる。話を聞いた上で監督の心情を代弁したところによると、荒井監督が共感を抱いたポイントとして「とあるシーンで、なかなか“本領発揮”できない瞬間があって、『どうしようか…?』と悩んだ末に、あるものを見つけて、なぜか本領を発揮できる気がしてきた」(綾野さん)とわかるような、わからないような…(?)説明を行ない、会場はさらに笑いに包まれた。
ちなみに、荒井監督によると、撮影現場でも綾野さんは、直接的な言葉を使わない荒井監督とキャスト陣の間に立って、潤滑油のような機能を果たしてくれていたとのことで、荒井監督が綾野さんに全幅の信頼を置いている様子が伝わってきていた。

綾野さん演じる矢添が出会う大学生・瀬川紀子を演じた咲耶さんは、これが人生初の舞台挨拶。そのことを告げると会場からは温かい拍手がわき起こる。オーディションで紀子役を手にした咲耶は、合格の知らせを聞いた瞬間について「夢のような心地でした」とふり返り
「この作品のオーディションを受けませんか? というお話をいただいて、企画書と準備稿と原作をすべて読んで『絶対にこの作品で紀子役を勝ちとりたい!』という思いが強くわいてきました。本当に私の漠然としていた理想が、こんなに早く奇跡的なタイミングで実現していて、『掴むしかない!』と思って精一杯頑張りました。(知らせを聞いて)本当にフワフワしてしばらく現実感がわきませんでした」と明かす。ちなみに、この人生初の舞台挨拶に立っての心境についても「ちょっとまだよくわからないです…(笑)」と緊張気味に笑みを浮かべていた。
荒井監督は、オーディションに突如、現われた咲耶さんの豊かな才能を目の当たりにして「(世間に発見されることなく)いままでどこにいたの?」という言葉を放ったとか。

矢添の馴染みの娼婦の千枝子を演じた田中さんは、これまで荒井監督が脚本を執筆した作品への出演は複数回あったものの、監督作品は今回が初めて。荒井組への参加に「すごく嬉しかったです。荒井組は入りたいと思っていたので念願かなってお声がけをいただき、驚きましたが嬉しかったです。緊張していたけど剛くんが荒井組の先輩なので『付いて行こう』と思って現場に入りました」と語り、実際に現場でも綾野さんを頼りにしていたという。
荒井監督は、物語の時代設定を 1969 年という昭和の激動の時期にした理由について、タイトルに“月”が入っている点に触れ「69 年のアポロ(※アポロ 11 号の月面着陸)を入れたかったし、自分の人生でもいろいろと“致命傷”を負った時期だった」と説明する。
咲耶さんは、映画の中の印象的なシーンについて尋ねられると「私が一番好きなフレーズがあって『隠されたものが現れた時にひとつのものが終わるのさ。そして、また新しいことが始まるんだ』というセリフで、この言葉は今回の映画に登場する全員に当てはまる言葉で、矢添さんがその言葉を発するシーンが好きなシーンのひとつです」と明かす。
一方、田中さんは「最後のエンドロールが好きです。咲耶ちゃんが、“あること”をされていて、その現場に立ち会えたのですが、魅力が満載で、この年齢でしか出せない色気と無邪気さ、少女っぽさ――女の子と女性を往き来している姿が目に焼き付いています」と絶賛。

ちなみに劇中、田中演じる千枝子がタバコを吸いながらペディキュアを塗るシーンが出てくるが、タバコを吸うというのは現場での綾野さんのアイディアとのこと。荒井監督は、綾野さんを指して「監督はあっちですから(笑)」と冗談交じりに語り、綾野さんは慌てて「違います(苦笑)!」と否定していたが、このシーンについて「助監督さんと共に監督の話を聞いて『たぶん、こういうことを言ってるよね?』という話をしていたんですが、その時、ペディキュアを塗っているだけだけど、それがとても美しくて、(千枝子は)喫煙する設定なので、白黒の作品でもあるし、煙の “揺らぎ”があれば感情を伝わってくるんじゃないか? ということで、『タバコを持っていただくのはどうですか?』という話をしましたが、あくまでも荒井さんから出てきたものを助監督さんと一緒に考えたという感じです」と謙遜しつつ説明。
このシーンに関して、当の田中さんも「気に入っています!」と笑みを見せていた。
舞台挨拶の最後に荒井監督はこれから映画を見る観客の皆様に向けて「見て、面白かったら宣伝してください。じゃないと、次回作が撮れなくなるんでね」と早くも次回作への意欲を口にし「年も年で、もうすぐ 80 だし。山田洋次に負けたくないし(笑)」と語り、会場は笑いに包まれた。

綾野さんは「本当に登場人物たちが魅力的で、矢添以上に咲耶さんや田中麗奈さんが演じられた女性たちに魅力が詰まっているなと思います。その中でグズグズしている矢添というひとが、どのように言葉に向き合うか? その美しさの中にある滑稽さみたいなものも、彼の持ち味なので、『はいはい』『まあまあ』と思いながら(笑)、受け止めて、てのひらで転がしてやってください。そうするとこの作品は育っていくと思います」と呼びかけ、温かい拍手の中で舞台挨拶は幕を閉じた。
なじみの娼婦・千枝子役、田中麗奈が切り開く新境地、新場面写真 解禁
「ここまでやってくれるとは思わなかった」荒井晴彦監督も絶賛!田中麗奈が切り開く新境地

1998年の映画『がんばっていきまっしょい』(磯村一路監督)で主演を飾り数々の映画賞を受賞、爽やかで快活なイメージが鮮烈で、いまだに印象深い人も多いかもしれない。
その後も『はつ恋』(2000/篠原哲雄監督)、『東京マリーゴールド』(2001/市川準監督)、『犬と私の10の約束』(2008/本木克英監督)など現在に至るまで毎年出演作はほぼ途切れることなく、映画にドラマにと長年に渡り活躍を続ける稀有な存在だ。
そして、最近の田中麗奈の演じる役柄は、かつてのイメージを一新するかのような、重厚感すらも漂うものにシフトしつつある。今年は、立て続けに映画5本に出演。戦後80年の今夏に公開した史実に基づく物語『雪風 YUKIKAZE』(山田敏久監督)では、竹ノ内豊演じる艦長・寺澤一利の妻志津役を凛とした姿で演じ切り、『ストロベリームーン 余命半年の恋』(公開中/酒井麻衣監督)では余命半年の娘を持つ母親・美代子を好演、娘を想い涙するシーンは、観るものすべての心を震わせた。さらには、先だって開催された第38回東京国際映画祭にも出品された『ナイトフラワー』(11月公開/内田英治監督)では総合病院の院長夫人・星崎みゆき役を務め、時代、立場、背負っているものすべてが違う女性を見事に体現、そして、『星と月は天の穴』では、これまで見せたことのない表情や佇まいを見せている。
本作で田中が演じるのは、綾野剛演じる主人公・矢添の馴染みの娼婦・千枝子。矢添を憎からず思っており、彼に対し他の客以上の“情”はある。しかし関係は進展することなく、時だけが流れ、女として自身の人生の選択をする時であることを自覚している女性だ。
愛をこじらせている矢添に決して踏み込むことなく淡々と寄り添う一方で、矢添の一番の理解者であることも見受けられる。さらには、己の幸せのために大きな決断を下していく千枝子の姿は切なくも軽やかで、咲耶演じる紀子とある種対照的な人物像となっている。ままならなさ、どうしようもなさを抱える心の内を全て言葉にはしない。しかし、それが全身から溢れ出る色香となって、役柄への説得力が増している。田中自身も「今でも千枝子を思うと胸がキュッとします」と語る通り、千枝子が持つ矢添へのある種の愛と諦念、複雑な女心の内が物語に与える影響は大きく、娼婦という役柄ながら、少なからず人間の共感を呼ぶことだろう。
田中麗奈と荒井晴彦の出会いは2017年、三島有紀子監督による『幼な子われらに生まれ』。荒井が脚本を務めた同作で田中は浅野忠信とともにバツイチ同士で結婚した夫婦を演じ、血のつながらない家族に対する葛藤、再生を描いたこの作品で第91回キネマ旬報ベスト・テン 助演女優賞、第72回毎日映画コンクール 女優助演賞ほか、作品としても第41回モントリオール世界映画祭審査員特別大賞など数々の賞に輝いた。
次いで、荒井が脚本を務めた『福田村事件』(2023年/森達也監督)で再び邂逅。田中は、荒井が監督を務めた『火口のふたり』(2019)『花腐し』(2023)にも惹かれていたとコメントしており、今回の作品の出演には「お話をいただいた時はびっくりしましたが、お声がけいただき大変嬉しかったです」と語っている。
一方荒井も「まさか出演してくれるとは思わなかった」と田中の参加に望外の喜び、さらには「ここまでやってくれるとは思わなかった」と期待を大きく上回る田中の演技に感嘆の声を寄せている。制作陣を唸らせたという、公園のブランコのシーンは必見。
10代での鮮烈なデビューから20年以上の時を経て、スクリーンに圧倒的な存在感を刻む、日本映画界にはなくてならない俳優となった。今後も、田中麗奈が切り開いていく新境地から目が離せない。
完成披露上映会開催決定!
本作の完成披露舞台挨拶を11月18日(火)に開催することが決定いたしました。
みなさまのご来場をお待ちしております。
【開催劇場】
テアトル新宿
(新宿区新宿3-14-20 新宿テアトルビルB1F)
【開催日時】
11月18日(火)
19:00の回 上映前舞台挨拶
【登壇者(予定)】
綾野剛、咲耶、田中麗奈、荒井晴彦監督
※登壇者は予告なく変更・追加となる場合がございます。
※敬称略
【料金】
2,000円均一
※各種割引、ムビチケの使用不可
※各種ご招待券、株主ご招待券、無料券の使用不可
【チケット販売】
オンラインチケット予約、および劇場窓口にて販売いたします。
※全席指定
※立見券の販売はございません。
※お一人様4枚までの販売とさせて頂きます。
【オンライン販売】
11月14日(金)19:00~上映時間20分前まで販売
※チケット販売当日はアクセスが集中し、つながりにくい場合がございます。予めご了承ください。
【劇場窓口販売】
11月15日(土)劇場OPEN時~ ※残席があった場合
※劇場窓口販売前に座席指定席が完売した場合、窓口でのチケット販売はございません。
※混雑状況等により販売開始時刻は前後する場合がございます。
※窓口の営業時間は開館時刻から最終回上映開始時刻までとなります。
≪注意事項≫
□登壇者は都合により、予告なく変更となる場合がございます。
□場内での撮影、録音等は固くお断りいたします。
□マスコミの撮影が入る場合がございます。その際、お客様が映像等に映り込む可能性がございますこと予めご了承ください。
□転売を目的としたご購入は固くお断りいたします。
□ご購入、お引換後の鑑賞券の変更や払い戻しはできません。
□急遽変更、天候、災害その他やむを得ない事由により中止になる場合もございます。あらかじめご了承くださいませ。
【車イスでご来場をご希望のお客様へ】
テアトル新宿では、スムーズなご入場のため、車いすでの鑑賞を希望される場合、事前のご連絡をお願いしております。
お手数ですが、ご鑑賞の日時がお決まりの際は、下記の窓口まで事前にご連絡いただくか、上映開始時間に十分な余裕を持ってお越しください。
■その他、混雑状況など詳細につきましては、劇場までお問合せください。
テアトル新宿 03-3352-1846
※営業時間外、混雑時はテープでのご案内となります。
1960年代の男女の濃密な空気を閉じ込めた色気溢れるアザービジュアル&新場面写真解禁
写真家・野村佐紀子が撮影したアザービジュアル&新場面写真一挙解禁!

この度、本作のアザービジュアルと新場面写真が一挙解禁。
アザービジュアルは、ブランコを漕ぐ紀子(咲耶)と、それを自宅マンションから見下ろす矢添(綾野)の姿が空気感とともに写し出される。
撮影したのは、写真家の野村佐紀子。荒井監督とのタッグは『身も心も』(97)、『火口のふたり』(19)、『花腐し』(23)に続き4作目となる。
彼女が撮る写真は、エロスとタナトスに満ちた世界観で既に国内外で高い評価を得ているが、今回のアザービジュアルではじっと公園を見下ろす矢添に焦点が当てられ、開放的な空間でありながらどこか閉塞的で淫靡な二人の関係を匂わせる濃密な空気を捉えている。
「風、空気、ブランコの音が聞こえてきそう。」と荒井監督も大絶賛の写真となった。
合わせて場面写真も解禁。こちらも野村佐紀子の撮影によるもの。女性を愛することを恐れながらも求めてしまう——布団の上に座り女の影に照らされる矢添、奇妙な関係性を映し出す矢添と紀子の二人、そして、公園で一人ブランコに乗る娼婦・千枝子…矢添のこじらせた繊細な心情とそれぞれ掴み切れない女性たちの姿を写した。
また、クラシカルな郵便ポストと紀子のファッションから、舞台となる1969年当時の風俗を思わせる1枚も。さらには、憂いの表情に煙草を燻らせる矢添のカットは、同じ作家という職業も相まって、“モテ男”の証言があるほど色男だったという原作者の吉行淳之介をどこか連想させ、綾野もこれまでに見せたことがない“男の色気”を醸し出す。
時代の空気や質感をスクリーンに転写したいという荒井監督の意図から全編モノクロで撮影されている本編同様、モノクロの世界を映し出す野村佐紀子の写真は、本作の魅力を際立たせる。そして、1969年という日本の激動期を背景に、一人の男の私的な物語を映し出す温故知新を感じるこの滋味深き日本映画、クラシカルな世界に新しさが見える<R18>の異色作「星と月は天の穴」は、2025年、映画ファン必見の一作となっている。
野村佐紀子 プロフィール
1967年山口県下関生まれ。
1990年九州産業大学芸術学部写真学科卒業。1993年より国内外写真展、写真集多数。
モノクロームの詩的で濃密な男性ヌード写真で注目を集めている。
ヴェールに包まれた女優、新星・咲耶 オーディションで大役を掴んだヒロインの意外な素顔、場面写真解禁
オーディションで全員が納得したヒロイン・紀子役、咲耶は吹越 満、広田レオナの一人娘。
「あなたは今までどこにいたの?どうして現れなかったの?」と荒井監督に言わしめた咲耶の、ヴェールに包まれた素顔とは?
主人公・矢添(綾野 剛)との運命的な出会いから、女性としての欲望に目覚め、開花していくヒロイン・紀子。次第に矢添を凌駕していき、彼の日常を大きく変えていくこの役は選考が難航した。本作で描かれる1969年という時代設定に説得力を持たせられる昭和の雰囲気、そして大胆なラブシーンに対する覚悟、存在感がなくては成立しない役柄だったからだ。
オーディションを重ね、人選にこだわり、クランクインが差し迫る中でオーディションにやってきたのが咲耶だった。
「荒井さんは適役の人が現れた瞬間に直感的に決めている」と竹田正明助監督が語るように、この時も、荒井、そして制作陣が待ちわびていた“紀子”が現れた瞬間だった。オーディションでは、咲耶は全ての台詞を憶えていて、どの台詞をどう言うかプランニングして来ていたため、台本をただ読んで欲しいというオーディションに戸惑っている様子だったという。咲耶がどれほどこのオーディションの為に準備してきたかを感じることができたと制作陣は語る。
一方、咲耶はもともと、「純文学の登場人物になってみたい」「オールヌードありの作品に出てみたい」という強い願望があったという。今の時代、そういった作品を制作されること自体が稀なため、「こんな理想的な形で実現するなんて」と彼女自身並々ならぬ思いでオーディションに挑み、見事に役を掴み取ったのだ。60年代の映画や映像を観て、女性たちの言葉遣い、喋り方を研究し、一番参考にしたのは『卍』(64年/増村保造監督)の若尾文子だと明かす。
咲耶は2000年生まれ。父は吹越満、母は広田レオナといういわゆる芸能一家に生まれた。17歳の時、母の広田が監督した『お江戸のキャンディー2 ロワゾー・ドゥ・パラディ(天国の鳥)篇』でスクリーンデビューを果たしているが、彼女自身が本格的に俳優を志したのは「ここ3年くらいのこと」なのだという。
高校卒業後、「無職・フリーター」(本人談)の時期を経て、ディープテクノのDJをしていたこともある。
二人ともに個性豊かで日本映画界にも大きな足跡を残してきた父と母からは役者になることを反対され「あなたは役者ではなく作家になりなさい」と言われて育った彼女。中高生の時には書いた個性的な作文が教師の間で注目を浴び<文豪>というあだ名をつけられていたことも。さらには母の広田にも面白がられ、プロフィールを作るときに「特技:文豪」と書かれたと笑う。
耽美を好み、純文学を愛し、揺るぎない自分の価値観を持つ唯一無二の新星が、1969年をモノクロで映し出すスクリーンで、美しくも妖しい輝きを放っている。
本作の撮影が終わった後、監督の荒井に「あなたは今までどこにいたの? どうして今まで現れなかったの?」と言わしめた咲耶。
完成した作品を観て、「初号試写で初めて大きなスクリーンで見た時、自分のフルヌードがスクリーンに映っているのに恥ずかしくなかった。そもそもカメラの前で脱ぐこと自体を恥ずかしいと思ってはいませんが、それを自分が客観的に見るとなれば、やっぱりちょっと恥ずかしさがあるのかなと思ったけど、全然そうじゃなかった。モノクロの画面で、現在とかけ離れた時代の世界を描いていて、しかも川上(皓市/撮影監督)さんが撮る画がものすごく綺麗で、荒井さんの書く脚本はとても文学的で。そういう全ての要素が合わさって、美しく撮っていただけたことが、すごく嬉しかったです。」と語った。
荒井晴彦の脚本から導き出された俳優 綾野 剛の真骨頂、その隣で堂々と輝く新星 咲耶。日本映画界に一石を投じる<R18+>の異色作『星と月は天の穴』は、12月19日(金)よりテアトル新宿ほか全国ロードショー。
公式サイトでは、テアトル新宿、TOHOシネマズシャンテほか全国の上映劇場情報の掲載がスタート、10月17日(金)からは、綾野 剛演じる“愛をこじらせた小説家・矢添”のキャラクター写真のムビチケカードが発売される。
愛をこじらせた男の切なくも可笑しい日常を映し出す予告編映像&場面写真解禁
今回解禁となった予告編映像は、綾野 剛演じる小説家・矢添の「結婚していたことがあるんだ」——という過去の告白から始まる。
「俺、惚れられてるんじゃないのか――」なじみの娼婦・千枝子(田中麗奈)との逢瀬、「行っちゃおうか、いいとこに」大学生・紀子(咲耶)との出会いからの奇妙な交流、さらには、「精神的な愛の可能性を探る小説を書いてみようと思った」と、小説の主人公に自分自身を投影し書き綴る恋愛模様…「矢添さんは、軀と恋愛してるのよ」紀子に言われるも、愛すること、愛されることを恐れながらも求めてしまう、矢添の“愛をこじらせた”切なくも可笑しい日常が映し出される。
さらには場面写真も一挙解禁。
矢添と絡むキャラクターたち、そして劇中でも描かれる“小説の中”のA(=矢添が自身を投影している主人公)とB子(岬あかり)の一幕も。
部屋の窓辺から公園を見下ろす矢添は、何を思うのか――。
映画『星と月は天の穴』2025年12月19日(金)公開決定!作品情報、メインビジュアル解禁!
日本映画界を代表する脚本家・荒井晴彦が監督を務めた、綾野 剛主演最新作の映画『星と月は天の穴』が、2025年12月19日(金)よりテアトル新宿他にて全国公開することが決定!

荒井晴彦監督と俳優 綾野 剛が織りなす日本映画の真髄
『ヴァイブレータ』(03)、『共喰い』(13)などキネマ旬報脚本賞に5度輝き、半世紀ものキャリアを誇る、日本を代表する脚本家・荒井晴彦。『火口のふたり』(19)をはじめ、自ら監督を務めた作品群では総じて人間の本能たる〝愛と性〟を描き、観る者の情動を掻き立ててきた。最新作『星と月は天の穴』は、長年の念願だった吉行淳之介による芸術選奨文部大臣受賞作品を映画化。過去の離婚経験から女を愛することを恐れる一方、愛されたい願望をこじらせる40代小説家の日常を、エロティシズムとペーソスを織り交ぜながら綴っている。
主人公の矢添克二を演じるのは、荒井と『花腐し』(23)でもタッグを組んだ俳優 綾野 剛。着実にキャリアを重ね、名実ともに確固たる地位を築き上げてきた綾野が、これまでに見せたことのない枯れかけた男の色気を発露、過去のトラウマから、女を愛することを恐れながらも求めてしまう、心と体の矛盾に揺れる滑稽で切ないキャラクターを生み出した。
そして、矢添を取り巻く女たち——女子大生の紀子を演じるのは、新星 咲耶。女性を拒む矢添の心に無邪気に足を踏み入れる。矢添のなじみの娼婦・千枝子を演じるのは、荒井作品3作目の出演となる田中麗奈。綾野演じる矢添との駆け引きは絶妙、女優としての新境地を切り開く。さらには、柄本佑、岬あかり、MINAMO、 宮下順子らが脇を固め、本作ならではの世界観を創り上げている。1969年という日本の激動期を背景に一人の男の私的な物語を映す、滋味深き日本映画に、温故知新を感じることだろう。名匠 荒井晴彦の脚本から導き出された俳優 綾野 剛の真骨頂、日本映画界に一石を投じる<R18>の異色作が誕生!
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