大絶賛コメント続々!!(順不同・敬称略)
鑑賞直後、『ブラボー!』と思わず担当者諸氏に叫んだほど。
この傑作の人間賛歌にブラボー!だからだ。
とあるセンセーショナルな台詞の何たる耳触りの良さ!
“笑い絵”と称された春画の精神を今こそ学ぼう。
映画という名の暗闇は、元来、大らかな治外法権のはず。
私はこの映画に限りなく“共犯幻想”を抱く。
「春画先生」という飄々として、力みを抜いた題名に誘われて損はない!
秋本鉄次(映画評論家)
ブニュエル、はたまた神代がジュスティーヌした
『女地獄・森は濡れた』も頭をかすめ、
あ、『月光の囁き』への帰還?とほくそ笑みつつ
見終わって押し寄せてきた唖然茫然、
その挙句、不思議な爽快感が吹き抜ける。
おこりんぼのヒロインの真正面の顔を切り取るキャメラの決然、
「何が見えますか?」と挑発する問の明るい深さ。
快作『麻希のいる世界』の後にやってきたこの怪作!
監督塩田またしてもキレキレだ!!
川口敦子(映画評論家)
どの人物も不器用でイビツで、だからこそ可愛くて。
春画を軸に心のまま怖れず、愛と本能が開かれていく姿が爽快!
“くふくふっ”という笑いが腹に溜まっていくような、
たまらない感覚。この“上品なスケベ”さ最高です!
折田千鶴子(映画ライター)
生命力溢れる北香那が素晴らしい。
まるで春に目覚める生きものたちのよう。
たぎる血潮、湧き上がる嫉妬、蠢く下心、生きるって楽しい。
大笑いして元気をもらえる映画、『春画先生』最高です!
香田史生(CINEMORE 編集長)
前作『麻希のいる世界』が塩田明彦の「集大成」とすれば、
『春画先生』は「代表作」となるだろう。
風と身体性の映画作家の面目躍如。
後半の展開には、「傑作」なんかに着地させるものか!
という気概が感じられる。
存在感で笑わせる内野聖陽と
アクションで笑わせる北香那の師弟コンビも最高!
外山真也(映画ライター&編集者)
ここに描かれる誰もが、間違いなく歪んでいる。
なのに真っすぐで純真で、
それこそが長編デビュー作『月光の囁き』から続く、
塩田を塩田たらしめている視点なのだ。
煩悩と理性と本能の狭間を、映画は突き進んでいく。
ありふれた常識やモラルをあざ笑いつつ、
最も純粋な感情に貫かれた、
塩田作品でも3本の指に入る傑作である。
高井克敏(ライター)
視線を中心から四方へと誘う簡易なトリミングが、
春画の鷹揚さと繊細さ、情緒と気配を伝えてやまない。
そんな先生の手ほどきの朗らかさを保持しつつ、
トリュフォーや増村保造の映画さながらのひたむきなパッション劇へ、
塩田監督は舵を切る。
さらには、ブニュエルや夢野久作=小沼勝の映画さながらの
メルヘンティックな性愛奇譚へ。
江戸町民文化と明治鹿鳴館文化の交点で夢見られた「自由の幻想」が、
鰹節を削って取った出汁の芳醇さで現代に香り立つ!
後藤岳史(映画ライター、編集者)
誰しもきっかけ次第で、あの歪みに身を投じ、
自分でも知らなかった自分を目覚めさせることがあるのかもしれない。
それはある種の幸福である。
自らの中にある欲求に知らず知らずのうちに導かれ、
極めて純粋な思いに到達するヒロインには嫉妬すら覚える。
牧口じゅん(映画ライター)
艶めかしい登場人物の視線と身体の動き、
それを捉える的確なカメラワーク、
繊細きわまりない音響設計に驚かされる。
日本人が辿った性愛の歴史を、
古今東西の映画的メチエを駆使して素描する、
塩田明彦の映画史”と名づけられるべき
壮大なプロジェクトの始まりを告げる傑作!
山田剛志(映画チャンネル編集長)
春画に限らぬ哲学が其処彼処そこかしこに。
大真面目に言う間抜けで明け透けな台詞と滑稽な所業に笑い、
なぜそこを隠す!?と焦らされながら、
実社会の不自由を映画は解放する。
「夜明けの辻村」の姿の方がねぇ、あらやだ。
川村夕祈子(キネマ旬報社)
(キネマ旬報7月上・下旬合併号「編集部のオススメ映画」より抜粋)
人間の「欲望」は滑稽で、端からみると結構おかしい。
眉をひそめるより、人間っておかしいよねと
笑い飛ばすパワーを教えてくれる映画だ。
それにしても、力のある演じ手でなければ成立しない
塩田監督の無茶ぶり。
内野さん、北さん、柄本さん、安達さん、
みんな、ホントにすごい!
中でも青ビキニは忘れられない…。
新町真弓(FRaUweb 編集長)
推し活経験がある、
もしくは何かに夢中になったことがある人にはグッとくるはず。
“推し”に息を吹きかけまいと口をハンカチで覆い、
同じ趣味の人たちと“推し”を眺め、
“推し”について、延々と熱く語る・・・
そういう映画なのだから。
しかも“推し”を研究する先生を内野聖陽が演じているのだから、
魅力的でないはずがないのだ。
藤沢知子(映画雑誌FLIXエディター&ライター)
弓子が一生懸命すぎて時々どこへ向かっていくんだろう…?
と危なっかしいけど、
究極の推し“春画先生”に向かって猪突猛進なところが、
とにかく可愛くて愛おしいです!
いろんな意味でエネルギーをもらいました!
移転前のミロンガ ヌオーバ(神保町にある老舗喫茶店)の
懐かしい店内が映像に残されているのも嬉しいです。
吉田詩子(集英社『ココハナ』編集部)
春画先生の手ほどきで、
みるみるうちに表情が変わり、
生命力に満ち溢れていくヒロインの姿に心奪われました。
ひたむきで、自由で、たくましくて、美しくて。
人生が変わるきっかけは、突然やってくる。
森祐美子(編集・ライター)
春画については渋く高尚に、
先生をめぐる人間模様は怪しく、卑猥にかがやく。
日本映画にはめずらしい方角をさぐる1本。
安達祐実の黒の妖艶、
しっかり者が淫らに乱れる北香那、
いいバランス。
宇田川幸洋(映画評論家)
適材適所なメインキャストで
他のキャスティング想像できないハマリ具合。
決して口にできない、
しかし、誰もが持ち合わせている欲望があることを突き付けられて、
苦笑いを浮かべつつも目が離せない。
まさに、春画を覗き見ているような“究極に変な映画”。
村松 健太郎(映画文筆屋(ライター))
私は誰しもが幸福を享受することのできる
「当時の価値観のハッピーエンド」ではなく、「狂った春画」が好きです。
私のここで言う「狂った」とは、
個々人の持っている常識や道徳からはかけ離れた、
怒ることすら馬鹿らしくなる状態です。
『春画先生』は狂った春画の世界を描いています。
春画が登場する現代のリアルな恋愛ストーリーではなく、
春画そのものだと思っています。
表現上のお話しとして、春画に描かれる人物たちは、
読者(鑑賞者)がわかりやすいように、大きな声で嫉妬したり、
喜んだり泣いたり、感情を剥き出しにして、
懸命に目の前の惚れた相手に夢中になります。
脇役もどさくさに紛れて興奮したりします。それが滑稽なわらいです。
弓子さんにもそんなことを感じましたし、
どさくさに展開する男性同士の絡みにも春画の血を感じました。
折々のそんな誇張された描写に、
「自分ならこんなことはしない」とケラケラ指をさして我々は笑っていいんです。
くだらなく、馬鹿馬鹿しくて笑っちゃう
日本の烏滸のメンタルを思う存分劇場で味わってください。
その映画の人々と、自分を重ねなくてもいいんです。
だってそれは春画の世界なんだから。
春画ール(春画が好きな社会人)
春画の面白さが画面いっぱいに溢れていて驚きました。
お芝居も素晴らしく、
一息一息から熱が伝わるなんとも自由で遊び心たっぷりの映画でした。
愛の形は人それぞれ。
奥深く美しくエロティック。
けれどなんだか少し笑ってしまう…!
この映画に出てくる人達の生きる姿が、
春画の魅力と重なりました。
内田理央(女優)
冒頭の主人公弓子は春画というワンダーランドに迷い込んだ
少女アリスのようだった。
残酷なシーンもコミカルに描かれており非常に楽しい作品です。
しかし後半、弓子は一変して戦士の顔になる。
そういえばそうだった、
恋は戦争で愛は狂気だった。
世紀末(漫画家/イラストレーター)
弓子の強いまなざしに心を射抜かれ、
クルクル変わる表情に心を奪われているうちに、
春画を描いてみたいと思いました。
エロとギャグを主戦場としてきた漫画家の第二の人生にピッタリだし
『月光の囁き』で塩田監督の人生にいくらか関与したのだから、
その逆があったらもっと面白くなります。
最初に描くのはもちろん弓子です。
あの場面のーー足の指を念入りに。
喜国雅彦(漫画家)
過激な猥褻表現によって多くの人に敬遠されがちな傍らでコアなファンを持つ「春画」。
その春画にフォーカスした本作は、
実にチャレンジングな作品で日本の美術界に衝撃を走らせることでしょう。
本作では、春画の魅力をただの猥褻表現ではなく、
それ以外の部分から感じる風雅、叙情、芳香までを
作品の中から読み取る主人公と春画先生の奥深い会話が興味深く描写されています。
春画に興味を持つ主人公の女性の、画集を見るときの興奮は、
まるで私がギリシャ神話をテーマにした画集を手に取り、
その官能性と浪漫、そこから感じる物語の壮大さに感激し
気付かぬ間に目が釘付けになっている様子に酷似していました。
年齢指定作品ではありますが、女性から男性まで、
また日本だけではなく世界の方々にも是非ご覧になっていただきたい作品です。
伊藤遥夏(美術系Youtuberいとはる兼SHAVASPACE講師)
嬉しい!私が常々思っていることを芳賀先生が
「春画とワインの夕べ」のシーンで全部言ってくれた!
そう、春画は、江戸人にとっては現代人が考えるより
ずっとオープンな娯楽媒体だったのです。
この映画をきっかけに
明るくおおらかな春画の世界に
興味を持つ方が増えることを願わずにはいられません。
春画はいいぞ。
堀口茉純(歴史作家/歴史タレント)
エロスあり、笑いあり、狂気あり……
まさに春画をそのまま映画にしたような痛快作でした。
エンドロールで、春信の真似ゑもんが映されたとき、
「あ、これ俺じゃん」ってなりましたね(笑)
きっと江戸時代の人たちも、
こんな風に春画を楽しんでいたんだろうなぁ。
ミスター武士道(歴史好きYouTuber)
この映画自体が春画のよう。
肝心なのは濡れ場そのものではなく、
その前後や背景に描かれるドラマ。
何の後ろめたさも恥じらいも感じず、
笑いながら、共感しながら楽しむ。
そんな時代が来るといいなぁ〜。
ジャガモンド斉藤(映画紹介人/お笑いコンビ)
江戸時代、春画は浮世絵の20倍近くの値段で取引されていました。
美人画等の浮世絵は単なる印刷物扱いでしたが、幕府を欺き、
秘密裏に制作された春画は一流の絵師・彫師・摺師が腕を振るった美術品。
名作春画の美と技が、巨大スクリーンで鑑賞できる幸運に感謝しつつ、
ノスタルジックな映像と、歪な人間模様にニヤリ。
春画先生役は内野聖陽さんしか考えられない……。
車 浮代(時代小説家&浮世絵研究家)
邦画にはまだ"春画"という秘宝の題材があった!!
春画先生の講義は「春画ってただの江戸時代のエロ本でしょ?」
という先入観を見事一瞬でぶち壊す!
春画はこんなスゴかったのか…
春画先生!新しい扉開いちゃいました!!
春画や愛のディープな世界に魅せられるこの映画、私の推し。
あんこ(映画バカ芸人)
「春画」と聞くと一言で言えば
卑猥⁉️女性には縁のない、
見るものではないと頭の固い私は思い込んでおりました。
笑い画としての評価も初めて知り、へー、ほー、ふーむという感じ。
正直、まだ作品の世界観にもついていけず 目パチクリの状態です。
ただ、イメージ、先入観で
物事の枠を決めつけてはいけないと教えられました!
これからは もう少し柔軟にー。
一龍斎貞友(講談師・声優)
徳川幕府は、黒船で来航したペリーに春画を贈っています。
それは、幕府が春画はめでたいものと考えていたからです。
江戸時代は、老若男女とも春画を楽しんでいました。
解釈の仕方は自由。みなさんもこの映画を楽しみましょう。
浦上蒼穹堂代表 浦上満
狂おしいほどの愛は人を変えてしまう。
そういうすごい映画でした。
巷で変人だと噂される春画先生に強く惹かれてゆく弓子の、
今にもこぼれそうな瞳が印象的で、
恋をする弓子は風に震える湖みたいだ……
と思っていたのは束の間。
めくるめく性愛の世界で、彼女は変貌を遂げていきます。
愛のために戦いに挑む弓子は、
もはや湖とは対極の炎。
バトルシーンは、思わず笑ってしまうくらいすごかったです。
北香那さんの演技に圧倒され続けました。
もう一度観ます!
歌人・岡本真帆