あちらにいる鬼 あちらにいる鬼

Introduction

瀬戸内寂聴をモデルとした作家と井上光晴、そしてその妻―――
作家・井上荒野が自身の父親、母親をも交えた
男女3人の特別な関係を綴った傑作小説、ついに映画化!

原作は作家・井上荒野が、父である作家・井上光晴と母、父と瀬戸内寂聴をモデルに創作した「あちらにいる鬼」。直木賞、柴田錬三郎賞、織田作之助賞など様々な文学賞を受賞してきた井上が、彼女にとってもっとも身近な人々である父、母と、光晴と長年にわたり男女の仲だった瀬戸内寂聴の関係をモデルに、二人の女性の視点から、彼女たちの長きにわたる関係と心模様の変化を深く掘り下げ大きな反響を呼んだ。

W主演をつとめるのは、寺島しのぶと豊川悦司。寺島が演じるのは、瀬戸内寂聴をモデルにした人気作家・長内みはる。豊川が演じるのは井上光晴をモデルとした作家・白木篤郎。共演の広末涼子が篤郎の妻・笙子を演じる。監督は廣木隆一、脚本は荒井晴彦。寺島と豊川は廣木監督・荒井脚本の『やわらかい生活』(06)で初共演を果たして以降『愛の流刑地』(07)、『劇場版 アーヤと魔女 』(21)など何度も共演している。傑作小説が、数々の映画賞を受賞してきた日本を代表する俳優・スタッフで映画化される。

 

Story

人気作家の長内みはる(寺島しのぶ)は、講演旅行をきっかけに戦後派を代表する作家・白木篤郎(豊川悦司)と男女の関係になる。一方、白木の妻である笙子(広末涼子)は、夫の手あたり次第とも言える女性との関係を黙認、夫婦として平穏な生活を保っていた。だが、みはるにとって白木は肉体の関係だけに終わらず、〈書くこと〉による繋がりを深めることで、かけがえのない存在となっていく。二人のあいだを行き来する白木だが、度を越した女性との交わりは止まることがない。
白木を通じて響き合う二人は、どこにたどりつくのか――。