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COMMENT

(順不同・敬称略)
誰かの優しさも呑み込まれて、それでも人はそこに居続ける。逃げても逃げてもその先は闇。
バイクの後ろに乗ったハヤンが 振り返る姿が印象的。ふたりはどこに向かうのか
西田尚美
俳優
純度の高い強烈なノワール映画
ラストに向けて衝撃が立て続けにドンドコやってきて
「あぁ、こんなろくでもない世界で、、」と私もやるせない涙が流れました。
サムギョプサル和田
あやまんJAPAN/エンターテイナー
人は生まれ育つ環境を選べない。
息が詰まるような閉塞感から抜け出だそうとして、わずかに与えられた優しさにすがっても、
また沼に足をとられるかのように墜ちてゆく。
主人公の抉れた傷から溢れ出る血は心の叫びと慟哭に重なって、
観ている者に痛みが突き刺さってくるようだ。
その果てに 主人公が選んだ希望に涙がとまらなかった
長野智子
キャスター/ジャーナリスト
まさに、ろくでもない世界でしか生きざるを得ない二人、
少年・ヨンギュと犯罪組織のリーダー・チゴンとの出会いによって生まれる
リアル且つ、胸を締め付けられるような物語
繊細が故に内面を表現するのがとても難しい役でもあるチゴンを見事に演じ切ったソン・ジュンギさん。彼の演技を若い頃からつぶさに観てきた僕としては、さらに深まる役者としての飛躍と変貌を感じさせられた作品だと思います。皆様もぜひご覧ください!
野島裕史
声優
人が悪だから世の中が腐るのか。
世の中が腐っているから人が悪に染まるのか
不幸の只中における”偽り”は絶対的な”悪”ではないのでは?
そう感じてしまった私は、きっと邪な人間なんだろう。
本作を観て、”純粋”に生きるなんて希望は捨てようと思った。
氏家譲寿(ナマニク)
文筆業/映画評論家
希望と絶望が混在する約120分
覚悟して観たつもりが、序盤からそれを遥かに超え、頭に焼き付いて離れない
八方塞がりのこの世界だからこそ、醒めない夢を見たくなる。
韓国ドラマ好きのだらだら子
韓国作品ライター
希望はおろか、絶望することも許されない、暴力と非情を煮詰めたノワールムービー。
この企画に惚れ込んだソン・ジュンギの覚悟が全編に満ちているようで、
彼が韓国映画界に送り込んだ新鋭監督と俳優たちのフレッシュな才能が爆発している
それこそがこの映画の持つ希望なのかもしれない。
下田桃子
MOVIE WALKER PRESS編集長
たったひとりでも心を通わせることができる人がいたなら、
たったひとりでも守りたい人がいたなら、人は命を繋ぐことができる。
真っ暗な人生の中で、一筋の光があたる奇跡の瞬間を
鋭い刃のようなこの作品は見事に浮かび上がらせた
新人監督キム・チャンフンの登場は韓国映画界の層の厚さを証明した。
立田敦子
映画ジャーナリスト
偶然の出会いが逃れられない宿命へと変わり、
絶望の町を生きる主人公たちの悲劇が加速していく。
バイオレンスとエモーションが渾然一体となった韓国ノワールの様式を取り入れ、
その密度と強度を極限まで追求した一作
だ。
高橋諭治
映画ライター
隅にいる人はその世界の全体を見渡せると言われているが、
彼らにとっては隅こそが真ん中で、暴力と絶望と貧困だけを真摯に見ている。
世界のどこかにあるはずのぬるい楽園へたどり着こうとせず、半端な愛や小さな救済を求めず、
彼らは強く真っ直ぐにろくでもない世界の真ん中にい続けられるのは、たいしたものだ。
岩井志麻子
作家
人生は逆転できないのか?クズのまま終わってしまうのか?
社会の底辺で這いつくばる者たちの 叫びとギラつきが凝縮された一本
樋口毅宏
ハードボイルド育児作家
貧しさと暴力に追いつめられる少年と、
彼に自分を重ね、気にかけていく孤高の裏社会のリーダー。
このろくでもない世界の 抜け出せない負のループにヒリヒリさせられる作品
ソン・ジュンギの静謐な表情が底知れぬ恐ろしさを感じさせ、
その裏にある心の虚しさがどこまでも切なかった。
田代親世
韓流ナビゲーター
ろくでもない世界から抜け出そうとあがけばあがくほど、
少年に巻き付く負の連鎖は有刺鉄線のように痛く深く刺してくる…!
暴力的で非情、破滅的で暗い… これぞ容赦なき韓国ノワールを観た!!
あんこ
映画大好き芸人
「自分に風穴を開けた映画」と語るソン・ジュンギ。
どん底の闇に生きる乾いた男チゴンを演じる姿は、
逆説的に、彼の演技に対する限りなく熱い欲望を映し出す。
これぞ、進化を続ける ソン・ジュンギの現在地にして真骨頂
桑畑優香
ライター/翻訳家
わずかな希望の光さえ届かない、社会のどん底を生きる青年たちの姿に胸が押しつぶされた。
拳を握り締め、歯を食いしばりながら生きる 彼らの眼差しが忘れられない
赤ペン瀧川
映画プレゼンター
すべての痛みを引き受けるかのように、裏社会に飛び込む少年の哀しみ、手にしたナイフ。
刃の先から愛と憎しみ、怒りと慕情が滴るように、
残虐なシーンで、こんなにも胸が痛くて泣けてくるとは……。
この世はなんて不条理なのか。若手俳優2人が素晴らし過ぎる!
折田千鶴子
映画ライター
韓国らしさ溢れるフレッシュな社会派ノワールにソン・ジュンギがハマった。
貧困、虐待、孤独、裏社会。息が詰まりそうになる。
でも、目を逸らさずに見れば、 微細なリアリティに気づく
長谷川朋子
コラムニスト
追い詰められた運命の先に、果たして光は見えたのか
凄絶を極めるシーンの陰に、どんな感情と本能が秘められているのか。
それを察した瞬間、濃密な官能が漂い、息が止まった──。
観終わった後、“描かれなかった”時間と場所にも想いを巡らせ、
それこそが映画の真髄だと教えられる。
斉藤博昭
映画ライター
四半世紀で全てのジャンルで世界中を席捲するまでになった韓国映画。
そのどれもの根底には社会を洞察する目がある。
『このろくでもない世界で』は、潔いまでの容赦のない描写で、
八方ふさがりの “息もできない”現実を肌感覚で痛感させてくれる。
地畑寧子
ライター
大人が子供を守らないろくでもない世界で、一握りの大切なものを守るため、
暴力の蟻地獄に沈んでいく少年の乾いた眼差しと生々しい痛みが突き刺さる。
活路なき十字路にポツンと佇むショットはあまりに無情
どうしようもなく無力な私たちは、彼の行く先が行き止まりでないことを願うことしかできない。
ISO
ライター
藻掻けば藻掻くほど、絡め取られる貧困と暴力の負の連鎖。
優しくされたことがない者と優しくしたことがない者、どちらかは地獄から抜け出せるのか。
ホン・サビンの剥き出しの本能、ソン・ジュンギの精巧な演技から目が離せない。
髙山亜紀
フリーライター
釣り針にかかった無情。暴れるほどに食い込み、希望は一切ない。
観客の虫のいい期待を可能性レベルですらむしり取る容赦のなさ。
ただ— 俳優陣のえぐり出す熱演には、未来が確かに宿っていた
SYO
物書き
生きたまま心臓を抉られていくような生々しくかつ凄まじい痛みが全編を通して
じっくりとじわじわと襲いかかる。絶望という闇しかない世界。
なのに、心に残るのは少年の真っ直ぐで力強い優しさ。
“希望”と“夢”はきっとその先にあるに違いないと。
山崎敦子
フリーライター
夢も希望もない町に生きる青年が〝怪物〟へと変貌する…。
これは ただのありきたりなノワール映画ではない
「何にも縛られず、ただ自由に生きたい。」と願い、
どん底から這いあがろうとする1人の青年の人間ドラマでもあるのだ。
KEI
韓国系インフルエンサー
顔と心に傷を持つ2人の若者。
彼らを結び付けたのは、 ろくでもない世界に対する怒りなのか、絶望なのか
ホン・サビンとソン・ジュンギのナイフのような眼差し。
愛憎入り混じった兄妹関係にもヒリヒリさせられるティーンエイジ・フィルムノワール。
村尾泰郎
映画/音楽評論家
目に映る痛みと、心を突いてくる痛み、
登場人物それぞれが抱える痛みが絶え間なく押し寄せてくる。
そして、いつまでも纏わりついてくる。
なんと湿度の高い映画だろう
痛みがはびこる世界から抜け出してほしい、
這い上がってほしいと願いながら、彼らの人生を想う。
この痛みは、なかなか忘れられそうにない
新谷里映
映画ライター
「リアル」と「ジャンル映画」を跨ぎながら、暴力の悪循環を徹底して見据え、表現に叩きつける。
新鋭キム・チャンフン監督の過剰な初期衝動が 確かな技術と共に貫かれた熱作
役者もみんな素晴らしい。
森 直人
映画評論家
痛いほど、苦しくて・・・
格好いいけど、情けない でも、そんな 彼らの「愛」が、恨めしい 全篇に漂う
その“ヒリヒリ感”に ただただ、打ちのめされる・・・
古家正亨
ラジオDJ/MC
薄汚れてワイルドで、文字通り全身傷だらけ。
初めて見るソン・ジュンギが 最後に見つけた希望と愛の物語
渥美志保
映画ライター