箱男

2024年 全国公開

永瀬正敏 浅野忠信 白本彩奈 AND 佐藤浩市 
渋川清彦 中村優子 川瀬陽太
監督:石井岳龍
原作:安部公房「箱男」(新潮社刊)

脚本:いながききよたか、石井岳龍
製作幹事・配給:ハピネットファントム・スタジオ
製作:映画『箱男』製作委員会
制作プロダクション:コギトワークス
プロデューサー:小西啓介、関友彦
ⓒ2024 The Box Man Film Partners


NEWS

『箱男』公開記念『ELECTRIC DRAGON 80000V』特別上映イベントに、永瀬正敏&石井岳龍監督 登壇!

2024/08/19 14:46 up!

8月18日(日)に、都内・ユーロスペースにて、石井岳龍監督作品で、永瀬正敏・浅野忠信出演の『ELECTRIC DRAGON 80000V』の特別上映が行われた。

本作は、幼いころ事故に遭い体に電気をため込んだ・竜眼寺盛尊(浅野忠信)が、同じ特殊体質の男・雷電仏蔵(永瀬正敏)と出会い、怒濤の電気バトルを繰り広げるアクション作品。満員となった本作の上映後、観客の熱気が冷めやまぬなか登壇した永瀬は「また皆さんに観ていただいてとても嬉しいです。耳とか脳みそ、ボーンってなってませんか?」とド派手な音楽が使われる本作に触れつつ感謝の気持ちを伝えた。石井監督は「記念すべき永瀬・浅野対決の第一弾。こうやって、また皆さんに劇場で見ていただけることが何より嬉しいです」と熱い気持ちを述べた。

さっそく『ELECTRIC DRAGON 80000V』の舞台裏の話となると、石井監督は「とんでもなく大変な撮影だった」と当時を振り返る。永瀬は、雷電仏蔵という顔の半分が仏像である役柄。当時を監督と振り返り、顔のメイクが影響して固形物を食べられず飲み物はストローを使って飲んでいたことを明かした。また、監督は「緊張していましたね。当時、箱男が悲しい結果に終わってしまい次に出来上がる映画が本作や「五条霊戦記//GOJOE」だったので、“いい仕事をしたい”とすごく力が入っていた」と、27年前に急遽頓挫した『箱男』後の作品ということもあり、特別な気持ちで本作に臨んでいたことを明かした。

着想のもとは、“2人(永瀬正敏と浅野忠信)が戦う映画を撮りたい”という気持ちからだったと話す石井監督。本来、本作はイントロダクションであり、続編を作るつもりだったのだという。「永瀬さんは半分だけ仏像だったので、次は全身から始まる。その後だんだん人間に戻ってくる」という構想を伝えると、永瀬は間髪入れずに「お任せください」と即答。会場の笑いを誘っていた。

さらに、浅野忠信との共演について永瀬は、「毎回楽しみですよね。僕が台本を読んで想像していたものと、違う方向からのアプローチを必ず彼はする。そうすると仏蔵も箱男もリアクションが変わっていくんですよ。それが毎回すごい楽しみですね。同じことをしない。戦ってばかりですけど普段は仲良しなんですよ?」とも語った。

『ELECTRIC DRAGON 80000V』や今週23日(金)にいよいよ公開を迎える映画『箱男』のほか、多くの作品でタッグを組む永瀬と石井監督、トーク内容は別作品での裏話に。監督が永瀬との作品で記憶に残っているのは『私立探偵 濱マイク』だという。「テレビドラマの1話分なんですけど、私の監督仕事史上1番大変だった。大変だったということは面白かったということなんですけどね、ものすごい濃い仕事だった」と明かした。さらに、『パンク侍、斬られて候』では人間の言葉を話すサル・出臼という役柄に全身メイクで臨んだ永瀬。「監督には、最初気を遣っていただいたんですよね。 “京劇みたいなメイクでも大丈夫ですよ”と言っていただいたんですけど、僕の方から全身やらせてと言いました。箱男でも箱かぶってますけど、とても暑かったですね」と話し、冷水が衣裳内を流れるような仕様にして演技に臨んでいたことを明かした。

様々な役柄を永瀬にオファーしてきた石井監督は「永瀬さんとの仕事は、たとえちょっとした役でも“薄い仕事”はないですね。めったにリクエストされないんですけど、言うときは非常に的を得ている。毎回とても楽しみですし、1本も同じような役はないですよね」と話す。さらに永瀬の存在については「超越した方。人間性と超越性を具現化してくれる、着地させてくれるという絶大な信頼があり、甘えているかもしれないです(笑)」とも語ると、永瀬は恐縮している様子だった。

そして、今週23日(金)に公開を迎える『箱男』も27年越しとなる永瀬と石井監督によるタッグ作品。石井監督は「集大成と言いますか、やっぱりこれを永瀬さんと一緒にやりたかった。やはり箱男が作りたかったっていうのは本音中の本音です。ようやくスタート地点に戻れたという気がしています」と語った。永瀬も「いやぁやっとですね。本当にいろいろ…」とこれまでの長い道のりに思いをはせる。そして、「何回も観ていただければと思います。何度も舞台挨拶もやりたいですね」と話すと、客席からは大きな拍手が沸き起こった。