INTRODUCTION

『オールド・ボーイ』『お嬢さん』など唯一無二のストーリーテリングで世界中の観客を魅了し続けてきた巨匠パク・チャヌク監督の最新作は、サスペンスとロマンスが溶け合う珠玉のドラマ。第75回カンヌ国際映画祭コンペティション部門では監督賞を受賞し、アカデミー賞®国際長編映画賞部門の韓国代表に選出された。
韓国では公開後に発売された脚本集がベストセラーになり、劇中のセリフがネットで大流行。BTSのメンバーRMが繰り返し鑑賞したことをSNSで報告するなど、本作が描く迷路にハマり込む人々が続出した。次から次へと起こる予想外の展開、細部までこだわり抜かれたビジュアル、相手の本心を知りたいヘジュンとソレのスリリングな駆け引き・・・先の読めないドラマは、映画史上最大の“美しくも残酷な結末”に向かって突き進んでいく。

STORY

男が山頂から転落死した事件を追う刑事ヘジュンと、被害者の妻ソレは捜査中に出会った。取り調べが進む中で、お互いの視線は交差し、それぞれの胸に言葉にならない感情が湧き上がってくる。いつしかヘジュンはソレに惹かれ、彼女もまたヘジュンに特別な想いを抱き始める。やがて捜査の糸口が見つかり、事件は解決したかに思えた。しかし、それは相手への想いと疑惑が渦巻く“愛の迷路”のはじまりだった・・・・・・。

DIRECTOR
監督・脚本 パク・チャヌク
本作は、大人のための映画です。
喪失の物語を悲劇的なものとして語るのではなく、繊細さとエレガンスとユーモアをもって表現しようとしました。大人たちに語りかけるような形で…

【PROFILE】
1963年8月23日生まれ。1990年代、熱心な映画ファンでもあり大学在学中から映画評論家として活躍する。92年に『月は…太陽が見る夢』で監督デビューを果たす。『JSA』(00)は、当時の韓国歴代国内興行記録を塗り替え大ヒット。続いて2002年には『復讐者に憐みを』で、強烈で冷酷な自身のスタイルを打ち立て、世に知らしめた。『オールド・ボーイ』(03)が第57回カンヌ国際映画祭において、韓国映画として初となるグランプリを受賞、世界的に知られ成功を収める。『親切なクムジャさん』(05/ヴェネツィア国際映画祭コンペティション出品)、『サイボーグでも大丈夫』(06/ベルリン国際映画祭コンペティション出品)とテーマ性のある作品を世に送り出し、『渇き』(09)では第62回カンヌ国際映画祭審査員賞を受賞。そして初めての英語作品『イノセント・ガーデン』(13)を発表し、同じく韓国出身のポン・ジュノ監督の初の英語作品『スノーピアサー』(13)では製作を務める。その後『お嬢さん』(16)で第69回カンヌ映画祭コンペティション部門上映だけでなく、第71回英国アカデミー賞で英語圏以外の作品賞を獲得。世界中から高い評価を得て、国際的な映画監督としての立場をさらに強固なものとした。他にもBBCで放映された初のテレビ・シリーズ「リトル・ドラマー・ガール 愛を演じるスパイ 」から、アップルとのコラボレーションの短編映画「Life Is But a Dream」まで、独自の映画世界を作り上げている。6年ぶりの長編映画となる本作は、刑事ドラマ、ロマンス、予想外のユーモアを織り交ぜ、前作までのタブーを破るような衝撃的な作品ではなく、微妙な感情の揺らぎと脈打つ内なる波が共存する深いドラマに仕上がっている。

【主なフィルモグラフィー】
「リトル・ドラマー・ガール 愛を演じるスパイ 」(2018、テレビ・シリーズ)監督
『お嬢さん』(2016)プロデューサー/脚本/監督
『スノーピアサー 』(2013)プロデューサー
『イノセント・ガーデン』(2013)監督
『渇き』(2009)脚本/監督
『サイボーグでも大丈夫』(2006)脚本/監督
『親切なクムジャさん」(2005)脚本/監督
『オールド・ボーイ』(2003)脚本/監督
『復讐者に憐れみを」(2002)脚本/監督
『JSA』(2000)脚本/監督
『審判』(1999)脚本/監督
『三人組』(1997)脚本/監督
『月は…太陽が見る夢』(1992)脚本/監督 など