大絶賛コメント

※順不同・敬称略

大量殺人鬼の心の闇は、深海のように深く、冷たく、暗い。
本作には、テッド・バンディという男を理解しようと心の闇へ潜り込んだものの、
戻れなくなってしまった恋人、弁護士、裁判官の
悲痛な叫びが静かに反響している。

石井光太(作家)

小説で連続殺人鬼を頻繁に書いてきたから、
テッド・バンディについては知っていた。
だが、ここまで魅力的な奴とは思わなかった。
悪い奴だと知っていたにも関わらず、最後まで彼を本気で応援してしまった。
危険な映画だ。

大石圭(作家)

リアリティーあふれる秀作。
シリアルキラー、テッド・バンディという人物に、その犯行場面を描かず、公判をとおして迫っていく手法が新しく、好感をもった。
ジョン・マルコヴィッチが巧い。

黒川博行(作家)

史上初のテレビ中継された裁判
自分で自分を弁護するテッド・バンディ
最後まで無実だと多くの人々が信じていたであろう。
単なる連続殺人犯を描いた映画や推理を楽しむ範疇ではない。
この映画が日本の劇場で公開されることには感謝しかない。
一見の価値あり!

小川泰平(犯罪ジャーナリスト・元刑事)※協力「TBSキャスティング」

テッド・バンディという男を、どう理解すればいいのか。
この迷宮に補助線はあるのか。
僕が見る赤色はあなたと同じ赤色かどうかわからない。
これを確かめることは永久にできない。彼はまったく違う世界で生きていた。そう解釈するしかないのか。

森達也(映画監督・作家)

アメリカの闇を撮り続けてきたドキュメンタリーの鬼才は劇映画を撮ってもその視点は変わらない。
人間はなんと不可解なのだろう、と。
ラストには現実を素材にしては絶対に撮れない演出の凄みがある。震えた。

松江哲明(映画監督)

こういう角度からテッド・バンディを描くとは。
良い人が必ずしも優しいとは限らないし、悪い人が人相悪いとは限らない。
そもそも人の良い悪いって何だっけと問い掛けられた。

阿曽山大噴火(裁判傍聴芸人)

性暴力の「被害者」に向けられる、理不尽な批判。
なぜついて行った?
どうして自分を守れなかった?
殺人鬼を愛した女性の手記を原作とするこの映画のラストは、そこへ向かう。
悪いのはあなたじゃない。

町山広美(放送作家)

数多くの女性の命を奪ったテッド・バンディ。彼を最後に殺したのは死刑台ではない。
最も大切にした女性の愛である。

山口敏太郎(作家・オカルト研究家)