ABOUT THE MOVIE

二転三転する真実、
交錯する想いと葛藤――
予測不能なラストが待ち受ける、
異色のミステリーロマンス
ある日、日本は故郷を追われた惑星難民Xの受け入れを発表した。人間の姿をそっくりコピーして日常に紛れ込んだXがどこで暮らしているのか、誰も知らない。Xは誰なのか?彼らの目的は何なのか?人々は言葉にならない不安や恐怖を抱き、隣にいるかもしれないXを見つけ出そうと躍起になっている。

週刊誌記者の笹は、スクープのため正体を隠してX疑惑のある良子へ近づく。ふたりは少しずつ距離を縮めていき、やがて笹の中に本当の恋心が芽生える。しかし、良子がXかもしれないという疑いを払拭できずにいた。良子への想いと本音を打ち明けられない罪悪感、記者としての矜持に引き裂かれる笹が最後に見つけた真実とは。嘘と謎だらけのふたりの関係は予想外の展開へ…!

人との関わりを避けてひっそりと生きる女性、良子を演じるのは7年ぶりの映画主演となる上野樹里。そんな良子に惹かれていく記者を林遣都が演じるほか、台湾の実力派・黃姵嘉(ファン・ペイチャ)、野村周平、川瀬陽太、嶋田久作、原日出子、バカリズム、酒向芳らが顔を揃える。第14回小説現代長編新人賞を受賞し、次世代作家として大きな注目を集めるパリュスあや子の小説を、熊澤尚人監督が新たな視点を盛り込み完全映画化。

謎めいた物語が描き出すのは、〈よそもの〉に対する警戒心や、無意識に遠ざけようとする気持ち。そして偏見や恐怖を乗り越え、隣にいる人を大切に想う優しさ。心から信じられる相手を見つけるのが難しい時代に届ける異色のミステリーロマンス。

CAST

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柏木良子 役:上野樹里
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笹憲太郎 役:林遣都
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林怡蓮リン・イレン 役:黃姵嘉ファン・ペイチャ
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仁村拓真 役:野村周平
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内田瑛太 役:川瀬陽太
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小池編集長 役:嶋田久作
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柏木麻美 役:原日出子
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月村祐一 役:バカリズム
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柏木紀彦 役:酒向芳
柏木良子 役:上野樹里
[PROFILE]
1986年、兵庫県生まれ。2003年、『ジョゼと虎と魚たち』(犬童一心監督)で映画デビュー。初主演作『スウィングガールズ』(04/矢口史靖監督)で注目を浴び、第28回日本アカデミー賞新人俳優賞、第26回ヨコハマ映画祭最優秀新人賞を受賞し、大きな注目を集める。熊澤尚人監督とは『虹の女神 Rainbow Song』(06)以来17年ぶりにタッグを組む。主な出演作に『のだめカンタービレ』シリーズ(09~10/武内英樹監督)、NHK大河ドラマ「江〜姫たちの戦国〜」(11)、『陽だまりの彼女』(13/三木孝浩監督)、『ビューティー・インサイド』(15/ペク・ジョンヨル監督)、「監察医 朝顔」シリーズ(19~21/CX)などがある。10月にミュージカル「のだめカンタービレ」の上演を控える。
[COMMENT]
近年コロナ禍でマスクで顔が見えなかったり、ワクチン打った打たないで人間関係がギクシャクしたり。SNSが発達して通信速度が速くなった分、素顔が見えないなんてこともある現代。だからこそ時代の流れに飲まれず自分らしく生きる事や、自分らしさを理解してくれる人と出会えることの大切さを伝えられる作品だと思い出演を決めました。
緻密に練られている脚本で、同じ人物でも疑惑の目で見るのと、そうでないのとで見え方が変わってきて、面白そうだなと思いました。人を見る時ってきっと、情報社会の中で、自分が何らかの『フィルター』という名の事前の情報を良かれと思って入れて見ていると思うんです。簡単に対象となるものの印象って、変わってしまうと思うんです。フェイクニュースも多い中、皆さんにもその当たり前の怖さ、虚しさを感じてほしいと思いました。
私の演じた良子は、国立大学を出ていて、少し英語も話せて。でも会社を辞めて、なぜか宝くじとコンビニのバイトを掛け持つ暮らしぶり。休みの日には節約のためにお弁当の作り置きを用意したり図書館で借りた本を読むというアナログな中年女性です。地味で冴えない生活ではありますが、良子は至って満ち足りているような…。笹と出会ってからどうなっていくのか、乞うご期待!笑
演じた私も林遣都くんも、役や世界観にぴったりだと思います。何の違和感もなく自然に撮影が進んでいきました。遣都くんの役どころが結構複雑なので、大変だったとは思いますがその分見応えのあるお芝居が撮影できたと思います。
ちょっとハラハラドキドキしたい、“X”って何?誰が“X“なの?と刺激を求める方にも、しっとりとしたラブストーリーを観たい方にも、楽しんで頂けると思います。今届けるべきメッセージが詰まっている映画なので、ぜひ沢山の人に見てもらえたら嬉しいです。
笹憲太郎 役:林遣都
[PROFILE]
1990年、滋賀県生まれ。2007年、映画『バッテリー』(滝田洋二郎監督)で俳優デビュー。同作で第31回日本アカデミー賞、第81回キネマ旬報ベスト・テンほか多くの新人賞を受賞し大きな注目を集める。以降、『ダイブ!!』(08/熊澤尚人監督)、『風が強く吹いている』(09/大森寿美男監督)などに出演。近年では、NHK大河ドラマ「いだてん〜東京オリムピック噺(ばなし)〜」(19)、NHK連続テレビ小説「スカーレット」(19~20)、映画『劇場版おっさんずラブ 〜LOVE or DEAD〜』(19/瑠東東一郎監督)、『私をくいとめて』(20/大九明子監督)、『犬部!』(21/篠原哲雄監督)、『護られなかった者たちへ』(21/瀬々敬久監督)、『恋する寄生虫』(21/柿本ケンサク監督)などに出演。今後の待機作に9月15日公開『アリスとテレスのまぼろし工場』(岡田麿里監督・声の出演)、2024年2月9日公開『身代わり忠臣蔵』(河合勇人監督)がある。
[COMMENT]
今回僕が演じた笹は、今の厳しい世の中に翻弄されながら常に何かと何かのはざまで苦しんでいる、そんな精神的にしんどい役どころでした。僕自身も撮影中追い込まれる瞬間や苦しい場面が沢山あったのですが、共演者の方やスタッフの方々に支えられなんとか演り抜くことができました。共演させていただいた上野樹里さんは、撮影期間中一切の妥協をせず、誰よりも作品に愛情と情熱を注ぎ込む、頼もしく素敵な女優さんでした。作品に向き合う中で樹里さんから学ぶことが沢山あり、ご一緒できて本当に嬉しかったです。そして、今回は映画『ダイブ!!』以来15年ぶりとなる熊澤組でした。お芝居を始めたての頃に熊澤監督からいただいた言葉や厳しい演出は今も鮮明に覚えていて、少しでも成長した姿を熊澤さんの作品でお見せしたいなという思いがあり、精一杯演じさせていただきました。
「隣人X」という未知なるタイトルですが、描かれているのは現代社会を生きる「人」です。他人を傷つけない為の想像力、多くを求めず身近に存在する小さな幸せに気づけた瞬間の喜び。この映画に込められた願いを沢山の人に感じていただきたいです。是非劇場にお越しください。
林怡蓮リン・イレン(通称レン) 役:黃姵嘉ファン・ペイチャ
[PROFILE]
1988年、台湾生まれ。台北芸術大学舞踏科を卒業後、クラシックバレエ、中国民族舞踊、コンテンポラリーダンスなど様々なダンスを学び、大学内外の様々な舞踊団の公演に参加し、数多くの舞踊団のメインダンサー、ソリストを務める。2012年初主演映画『寶米恰恰』(楊貽茜監督)で第49回金馬奨の新人俳優賞にノミネート、2018年「台北歌手」で第53回金鐘賞ドラマ部門の主演女優賞を受賞するなど、映画やドラマと多方面で活躍。主な映画出演作に『逆轉勝』(14/孔玟燕監督)、『冥中註定我愛你』(17/許立達監督)、『該死的阿修羅』(21/樓一安監督)、『我的婆婆怎麼把○○搞丟了』(23/鄧安寧監督)など。台湾の実力派俳優の一人である。
仁村拓真 役:野村周平
[PROFILE]
1993年、兵庫県生まれ。2010年に俳優デビュー。NHK連続テレビ小説「梅ちゃん先生」(12)で注目を浴び、映画『日々ロック』(14/入江悠監督)で初主演を務める。主な映画出演作は、『ちはやふる』シリーズ(16~18/小泉徳宏監督)、『帝一の國』(17/永井聡監督)、『22年目の告白 -私が殺人犯です-』(17/入江悠監督)、『純平、考え直せ』(18/森岡利行監督)、『ビブリア古書堂の事件手帖』(18/三島有紀子監督)、『WALKING MAN』(19/ANARCHY監督)、『ALIVEHOON アライブフーン』(22/下山天監督)、『そして僕は途方に暮れる』(23/三浦大輔監督)など。2024年公開映画も待機している。
内田瑛太 役:川瀬陽太
[PROFILE]
1969年、神奈川県生まれ。1990年頃より助監督・美術スタッフとして自主映画の世界にかかわり『Rubber's Lover』(96/福居ショウジン監督)にて俳優デビュー。その後自主映画、Vシネマ、映画、ドラマと様々な作品に携わる。近年の主な出演作に、『激怒』(22/高橋ヨシキ監督)、『ミューズは溺れない』(22/淺尾望監督)、『終末の探偵』(22/井川広太郎監督)、『山女』(22/福永壮志監督)などがある。今後の出演作に10月6日公開『白鍵と黒鍵の間に』(冨永昌敬監督)、10月27日公開『こいびとのみつけかた』(前田弘二監督)などがある。
小池編集長 役:嶋田久作
[PROFILE]
1955年、神奈川県生まれ。1988年、実相寺昭雄監督の『帝都物語』で映画デビュー。近年の主な出演作品として、『一度死んでみた』(20/浜崎慎治監督)、『生きちゃった』(20/石井裕也監督)、『総理の夫』(21/河合勇人監督)、『茜色に焼かれる』(21/石井裕也監督)、『シン・ウルトラマン』(22/樋口真嗣監督)、『凪の島』(22/長澤雅彦監督)など。ドラマでは、「今ここにある危機とぼくの好感度について」(21/NHK)、「オリバーな犬、(Gosh!!)このヤロウ」(21/NHK)、「しょうもない僕らの恋愛論」(23/YTV)、「ハレーションラブ」(23/EX)など。
柏木麻美 役:原日出子
[PROFILE]
東京都生まれ。1979年、『夕焼けのマイ・ウェイ』(岡崎明監督)で映画初出演。NHK連続テレビ小説「本日も晴天なり」(81)の主演に抜擢され注目を集める。映画『鈴木家の嘘』(18/野尻克己監督)で第33回高崎映画祭最優秀主演女優賞を受賞。近作の主な出演作に、『樹海村』(21/清水崇監督)、『譲られなかった者たちへ』(21/瀬々敬久監督)、『ボクたちはみんな大人になれなかった』(21/森義仁監督)、『ポプラン』(22/上田慎一郎監督)、『余命10年』(22/藤井道人監督)、『劇場版ラジエーションハウス』(22/鈴木雅之監督)など。今後の待機作に『月』(23/石井裕也監督)、『大いなる不在』(24公開予定/近浦啓監督)がある。
月村祐一 役:バカリズム
[PROFILE]
1975年、福岡県出身。1995年「バカリズム」を結成。2005年よりピン芸人として活動。 TVレギュラー番組を中心に活動するかたわら、2012年に『バカリズム THE MOVIE』で監督・脚本・主演デビュー。原作・脚本・主演を務めたドラマ「架空OL日記」(17/YTV)で第36回向田邦子賞を受賞。脚本を担当した作品に「殺意の道程」(20/WOWOW)、『地獄の花園』(21/関和亮監督)、「ブラッシュアップライフ」(23/NTV)など。
柏木紀彦 役:酒向芳
[PROFILE]
1958年、岐阜県生まれ。劇団オンシアター自由劇場に入団し、役者デビュー。近年の主な出演作に『検察側の罪人』(18/原田眞人監督)、『見えない目撃者』(19/森淳一監督)、『キングダム』(19/佐藤信介監督)、『あなたの番です 劇場版』(21/佐久間紀佳監督)、『燃えよ剣』(21/原田眞人監督)、『唐人街探偵 東京MISSION』(21/チェン・スーチェン監督)、『沈黙のパレード』(22/西谷弘監督)、ディズニープラスオリジナル「ガンニバル」(22)などがある。9月1日『バカ塗りの娘』(鶴岡慧子監督)の公開を控える。

STAFF

監督・脚本・編集:熊澤尚人
1967年、愛知県出身。大学卒業後、ポニーキャニオンに入社し、映画プロデュースに携わる。1994年、『りべらる』がPFFに入選。2004年短編『Birthday』でポルト国際映画祭最優秀監督賞を受賞。2005年自身のオリジナル脚本による『ニライカナイからの手紙』で商業監督長編デビュー。代表作は『虹の女神 Rainbow Song』(06)、『ダイブ!!』(08)、『おと・な・り』(09)、『君に届け』(10)、『近キョリ恋愛』(14)、『心が叫びたがってるんだ。』、『ユリゴコロ』(共に17)、『ごっこ』(18)、『おもいで写眞』(21)など。上野樹里とは『虹の女神 Rainbow Song』以来17年ぶり、林遣都とは『ダイブ!!』以来15年ぶりのタッグとなる。
原作:パリュスあや子「隣人X」(講談社)
1985年、神奈川県生まれ、フランス在住。広告代理店勤務を経て、東京藝術大学大学院映像研究科・脚本領域に進学。2015年歌集「その言葉は減価償却されました」を上梓。「山口文子」名義で映画『ずぶぬれて犬ころ』(19/本田孝義監督)脚本を担当、本作で第14回小説現代長編新人賞を受賞しデビュー。自身にとって初の映像化作品となる。他の著作に「燃える息」、「パリと本屋さん」(2023年11月刊行予定)がある。
主題歌:chilldspot「キラーワード」
(PONY CANYON / RECA Records)
chill , child , spot , pot を組み合わせた造語。メンバー全員2002年生まれの東京都出身4人組バンド。 2019年12月に結成し活動開始。2020年11月 1stEP を高校在学中にリリース。2021年1月にSpotify が今年躍進を期待する次世代アーティスト、「RADAR Early Noise 2021」に選出、7月にYouTube Music が世界中の注目アーティストを支援するプログラム「Foundry」 に選出され、 大きな注目を集めている。作詞・作曲も担当するVo. 比喩根から自然と溢れ出すグルーヴと、異なる音楽ルーツを持つメンバー全員で 形造る楽曲は、なぜか中毒性があり、一瞬で彼女らの渦に飲まれる。グルーヴとジャンルレスな感覚で自由に遊ぶネクストエージ。『恋のいばら』(22/城定秀夫監督)に続き映画主題歌を手掛けるのは2作目となる。