京都に暮らすイラストレーター、神名。30歳を目前にした彼女は人生に静かな行き詰まりを感じていた。絵本で賞を獲り脚光を浴びたのは何年も前、最近は無茶なクライアントワークに神経をすり減らし、惰性と不毛な恋愛に逃げる日々を送っている。昔から自分勝手で人間関係に不器用なのは自覚している神名だったが、出会った頃からなぜか深く理解をしてくれる“男ともだち”ハセオからの思いがけない電話をきっかけに、7年ぶりに再会。甘く、苦く、ひりひりとした二人の時間が動き出す。京都、富山、広島――あの頃も今も変わらない温度で接してくれるハセオと過ごす“3つの夜”が、神名の人生を大きく変えていく。
今作にて、その結実を迎えられたようでとても幸福に思います。
神名を演じさせていただいた中で、監督が私と神名を深く信頼してくださっていたこと。日々、眼差しやカット割りから受け取って、温かく感じていました。俳優にとって、監督から信頼されること以上の幸せはあるだろうか、とも考えました。期待は、振りかぶって投げすぎたりするけれど、監督の寄せてくれた信頼は柔らかく、激しく、心地よい温もりでした。
この作品を観てくれた方が、大切なものをこれからも大切にできますように。そう祈った作品です。