たしかにあった幻

2026年2月 全国公開

第78回ロカルノ国際映画祭
インターナショナル・コンペティション部門
正式招待 

ヴィッキー・クリープス  寛一郎

監督・脚本:河瀨直美

音楽:中野公揮

制作:CINÉFRANCE STUDIOS 組画
共同制作:カズモ
配給:ハピネットファントム・スタジオ


© CINÉFRANCE STUDIOS - KUMIE INC - TARANTULA - VIKTORIA PRODUCTIONS - PIO&CO - PROD LAB - MARIGNAN FILMS - 2025

TRAILER

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監督・脚本/河瀨直美

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この度、映画を本当に愛してやまないロカルノ国際映画祭の選考委員の皆様に 本年度のコンペ部門のクロージングフィルムに選んでいただきましたことを大変光栄に思います。
思い返せば、2000年公開の「火垂」がロカルノで受賞したことは 私にとってとても美しい忘れられない想い出です。
25年の月日を経て、またロカルノに戻って来れたことに感謝しています。

新作に寄せた ロカルノ映画祭のアーティスティックディレクターの Giona A.Nazzaroさんからのメッセージを以下に記します。

「水のように、音を立てずに深く掘り下げ
 沈黙を恐れず、耳を傾ける映画を作ってくれてありがとう」

Profile

生まれ育った奈良を拠点に映画を創り続ける映画作家。大阪写真専門学校(現ビジュアルアーツ・アカデミー)映画科卒業後、自身のプライベートを掘り下げた自主製作ドキュメンタリー映画『につつまれて』(92)『かたつもり』(94)が山形国際ドキュメンタリー映画祭をはじめ国内外で評価される。その後も、一貫した「リアリティ」の追求はドキュメンタリー・フィクションの域を越え、『萌の朱雀』(97)は史上最年少で第50回カンヌ国際映画祭「カメラ・ドール」、『殯の森』(07)で第60回カンヌ国際映画祭「グランプリ」など世界各国の映画祭での受賞多数。代表作は他にも『2つ目の窓』(14)『あん』(15)『光』(17)『朝が来る』(20)が挙げられる。また、世界に表現活動の場を広げながらも故郷にて2010年から「なら国際映画祭」を立ち上げ、後進の育成にも力を入れる。フランス芸術文化勲章オフィシエの受勲や、ユネスコ親善大使、奈良県国際特別大使を務める他、CM出演、エッセイ執筆、俳優とジャンルにこだわらず活動中。2025年大阪・関西万博ではシニアアドバイザー兼テーマ事業プロデューサーを務め、廃校になった校舎を再構築したシグネチャーパビリオンにて「対話」をテーマにしたパビリオンの運営を行っている。プライベートではお米を10 年以上作り続ける。
コリー役:ヴィッキー・クリープス

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映画を作るとき、私は目に見えない一本の糸をたどります――夢という大きな織物に織り込まれていく糸です。
今回、糸は、私を屋久島の太古の森の奥深くへと導き、そして幼い頃のやさしい心へと連れ戻してくれました。
幽霊と現実のあいだの繊細な境界線を歩きながら、私は愛という謎に引き寄せられていきました。

Profile

1983年ルクセンブルク生まれ。ポール・トーマス・アンダーソン監督の『ファントム・スレッド』(18)でのダニエル・デイ=ルイスとの共演により国際的なブレイクを果たす。『エリザベート 1878』(23)ではオーストリア皇后エリザベートを演じ、2022年カンヌ国際映画祭「ある視点」部門の最優秀演技賞、ヨーロッパ映画賞女優賞、シカゴ国際映画祭シルバー・ヒューゴ賞を受賞。その他の出演作には、M・ナイト・シャマラン監督の『オールド』(21)、ミア・ハンセン=ラヴ監督の『ベルイマン島にて』(22)、マチュー・アマルリック監督の『彼女のいない部屋』(22)、バリー・レビンソン監督の『アウシュヴィッツの生還者』(23)などがあり、幅広い役柄で観客を魅了している。
迅役:寛一郎

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諸行無常。
何かこの作品に込められたテーマのような気がしています。
この作品は自分にとって挑戦でした。
言語、さまざまな自然での撮影、新たな人との出会いで、沢山の学びと、この現場でしか体験できない経験をさせてもらいました。
そんな作品がこうしてロカルノ国際映画祭に招待していただいた事を光栄に思います。
関わった沢山の人たちの努力が報われる気がします。
そしてこの作品が世界の人に見て頂けることに喜びを感じています。

Profile

1996年生まれ、東京都出身。
2017年に俳優デビュー。同年に公開された映画『ナミヤ雑貨店の奇蹟』で、第27回日本映画批評家大賞の<新人男優賞>を受賞。翌年には『菊とギロチン』で第92回キネマ旬報ベスト・テン<新人男優賞>や第33回高崎映画祭の<最優秀新進男優賞>などを受賞。大河ドラマ「鎌倉殿の13人」(22/NHK)、映画『月の満ち欠け』(22)、『せかいのおきく』(23)、『首』(23)、『身代わり忠臣蔵』(24)、『プロミスト・ランド』(24)、『ナミビアの砂漠』(24)、『シサム』(24)、『グランメゾン・パリ』(24)など話題作に数多く出演。
2025年はNHK大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」、米・スカイバウンド×フジテレビ共同制作ドラマ「HEART ATTACK」への出演で話題を呼び、待機作として『爆弾』(25)ほか、NHK後期連続テレビ小説『ばけばけ』で朝ドラ初出演。