INTRODUCTION
幼い娘・加奈子をなくした深い悲しみから、やがて、その生まれ変わりに会いたいと願うようになる母親・容子役を、いま女優としてもっ とも鮮烈な輝きを放つ、広末涼子。
悲しみにくれる妻を支えたいと願いながらも、現実を受け入れられない彼女に苛立ちも感じ、心揺れる夫・信樹を演じるのは、国民的人気を誇るらMAPの稲垣吾郎。
さらに、容子が加奈子の生まれ変わりだと信じる子供を宿す女子高校生のシングルマザー・正美に、多くの映画・ドラマで確かな演技力を魅せる福田麻由子。
正美を見つめる高校生・直也にドラマでの活躍が注目を集める高田翔(ジャニーズJr.)。
登場人物全ての接点になる古本屋の店主に、江波杏子と豪華キャストが集結しました。監督、脚本を手掛けたのは、長編デビュー作『飯と乙女』がモスクワ国際映画祭で 最優秀アジア映画賞であるNETPAC賞を受賞している栗村実。新津きよみの小説「ふたたびの加奈子」が描くいのちの循環とい う深遠かつ普遍的なテーマに惚れ込み映画化を決意。そして、本作の心理描写の要といえる音楽を担当したのは、米国タイム誌で”現代のベートーベン”と称されるなど、国内外のメディアで熱い注目を集めているクラシック界の鬼才・佐村河内守。35歳で聴力を完全に失うという困難のなか創作活動を続ける氏の音楽は、すさまじいエネルギーを放ちながら、本作と見事に融合。この奇跡的なコラボレーションに より、観る人すべての胸を揺さぶるヒューマンドラマが完成しました。

STORY
あの子はきっと、生まれ変わって帰って くる――。桜の季節。容子(広末涼子)は、小学校入学を前にした娘・加奈子を不慮の事故で亡くしてしまう。 自分を責め、思いつめた容子は、娘の部 屋で自殺を図るが、あわやのところで一命をとりとめる。そしてその日から不思議なことを言い始める。
「加奈子は ここにいる」。
そして容子は、見えない加奈子のために食事を作り、話しかけ、出かけるようになる。夫の信樹(稲垣吾郎)は、そんな容子を救い出した いと願いながらも、現実を受け入れ、前を向こうとしない容子に苛立ちを募らせる。「加奈子は、もういないんだ」。そ う言い聞かせるが、容子は変わらなかった。ある日、容子は正美(福田麻由子) という女子高生に出会う。まだ高校生ながら、シングルマザーとして子供を産む決意をしていた正美。そんな正美をみて容子は直感する。「加奈子が生まれ変わって帰ってくる」。この母の一途な想いが起こした行動は、やがて、衝撃の事実とともに、思いがけない出会いへと導かれていくのだった⋯⋯。