INTRODUCTION
映像、物語、キャスティング……
奇跡のコラボレーションが、新しい日本映画を生み出した。

完全オリジナル脚本で映画界に乗り込むのは、日本が世界に誇るCMクリエイター:柳沢翔。「資生堂High School Girl?メーク女子高生のヒミツ」が話題沸騰、その他「Googleシリーズ」など数多くのCMやMVを手掛け、世界各国の広告賞に輝く彼が「いつか挑戦してみたかった」という映画の世界に初参戦!タッグを組むのは、最年少で撮影カメラマンとなり、その独自の撮影方法から生み出す斬新な映像が注目されている今村圭佑。そんな2人の才能ある若きクリエイターのもとに集まったキャストは全員主役級の超豪華メンバー!
主演の温人(ハルト)役には中村倫也。ドラマや舞台、表現者として数多くの作品で経験を積み、どんな色にも染まるカメレオン俳優として注目を浴びている。兄役は日本映画界に欠かせない役者として存在感を放つ新井浩文。そして、義理の姉弟には、佐々木希と菅田将暉。4人の子供たちの母であり謎の死を遂げる女性を木村佳乃、その夫を松重豊。さらに温人の閉ざした心を開くキーパーソンを市原隼人が演じ、日本をけん引する映像クリエイターのもとに、映画界の実力派俳優と勢いのある若手俳優が顔を揃えた。いよいよ、日本映画の新時代が幕を開けます。

STORY
幸せだと思っていた家族4人の暮らしは、雪の降るある日、突然に終わりを告げた。
父・藤二(松重豊)と口論の末に車からひとり降り、来た道とは逆方向に雪道を歩いていく母・爽子(木村佳乃)。必死で追いかける幼い温人と、弟と母の姿を車から見つめる兄の哲人。そして母は赤い手袋の片方と「そっちは温人が持ってて、必ず取りに行くから」という言葉を残して家族の前から去っていった──。

20年後、成人した温人(中村倫也)は「星ガ丘駅」の駅員として働いている。
駅には落とし物預かり所があり、その棚には、持ち主から離れてしまったさまざまな落とし物たちが再び持ち主の元に帰る日を待っている。年季の入った片方だけのタップシューズ、少し汚れた赤と白の毛糸の手袋、サインペンで絵が描かれたビニール傘、スノードームのキーホルダー……。温人は、そのさまざまな落とし物ひとつひとつにタグを付け、そこにどんな人が取りにくるのか想像をしては似顔絵を描くことが日課であり楽しみだった。しかし、ある一定の期間が過ぎると、忘れ物はゴミとして清掃会社に勤める仁吾(市原隼人)たちが回収していくのだった。

星ガ丘には「星ガ丘ワンダーランド」という遊園地がある。幼い頃、温人も家族と一緒に訪れたことのある思い出の場所だ。
その遊園地が閉園するというニュースが流れて間もなく、温人のもとに母がその遊園地で「死んだ」という訃報が届く。警察の中尾刑事(嶋田久作)と大林刑事(杏)からは自殺だと聞かされる。

20年の間に母に何があったのか? 新しい家族のなかで何があったのか?
母の死をきっかけに温人は、義理の姉弟である七海(佐々木希)と雄哉(菅田将暉)が近くで暮らしていることを知る。そして、母は300万円という大金を持ったまま死んでいたことが分かり、真相を探るため、ずっと連絡を取っていなかった兄の哲人(新井浩文)を訪ねるが……。
4人の男女の過去が明かされ、止まっていた時間が動きだそうとしていた。