INTRODUCTION
大きな時代の波に翻弄されながらも、強く逞しく生きる、家族たち。
大粒の汗と涙、明日へと向かう希望に包まれる、感動の物語。
春夏秋冬、美しい四季の移ろいとともに描かれる――小さな家族の、大きな歴史。

STORY
日本万国博覧会が催された1970(昭和45年)。高度経済成長に受かれる時代の片隅。
関西の地方都市の一角で、小さな焼肉店「焼肉ドラゴン」を営む亭主・龍吉と妻・英順は、静花、梨花、美花の三姉妹の一人息子・時生の6人暮らし。失くした故郷、戦争で奪われた左腕……。
つらい過去は決して消えないけれど、“たとえ昨日がどんなでも、明日はきっとえぇ日になる”
それが龍吉のいつもの口癖だ。そして店の中は、静花の幼馴染・哲男など、騒がしい常連客たちでいつも賑わい、ささいなことで笑ったり、泣いたり――。
そんな何が起きても強い絆で結ばれた「焼肉ドラゴン」にも、次第に時代の波が押し寄せるのだった――