INTRODUCTION

「涙が止まらない」と圧倒的な反響を呼んだ、

大人気コミックエッセイの映画化!

原作は、アルコールに溺れる父を持った作者・菊池真理子の実体験に基づくコミックエッセイ。
友人の付き添いで行ったアルコール依存症セミナーがきっかけで、「自分の父も依存症だったのかもしれない」と気付いたという菊池。自身の体験を基に、2017年、ウェブサイト「チャンピオンクロス」(秋田書店)にて「酔うと化け物になる父がつらい」の連載を開始する。酔って“化け物”となって家に帰ってくる父の姿がコミカルに描かれているだけでなく、生きづらさを感じながらも必死に日々を生きる主人公の姿に共感する人たちが続出。第一話公開の際には、アクセスが集中し、サイトに一時アクセスが出来なくなるほどの圧倒的な反響を呼んだ。

 

松本穂香×渋川清彦ダブル主演!!

旬なキャスト&日本映画界を代表する名優が勢ぞろい

主人公・田所サキを演じるのは、NHK連続テレビ小説「ひよっこ」(17)で注目されて以来、TBS日曜劇場「この世界の片隅に」(18)や映画『おいしい家族』(19)、『わたしは光をにぎっている』(19)など数々のドラマや映画で主演を務め、大活躍中の女優・松本穂香。アルコール依存症の父と新興宗教にハマる母に振り回されるサキの感情の機微を繊細な演技で体現している。また、ダブル主演で、酔うと化け物になるサキの父・田所トシフミを演じるのは、唯一無二の存在感で脇役から主演まで引っ張りだこの実力派・渋川清彦。サキたち家族を苦しめる存在でありながらも、チャーミングな表情や動作には、どこか憎みきれない雰囲気を感じさせる。
脇を固めるのは、今最も旬な若手キャストと日本映画界を代表する名優たち。サキとは正反対でいつでも明るい妹・フミ役には、欅坂46卒業後、初の映画出演となる今泉佑唯。サキの親友・ジュンを、話題作への出演が相次ぐ、若手注目女優・恒松祐里。そして、東大卒のDV彼氏・聡を「快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー」(18-19/EX)で注目を集めた濱正悟が演じている。また、サキの母親をともさかりえ、父・トシフミの同僚をミュージシャンとしても活躍する浜野謙太、トシフミの飲み仲間には宇野祥平、森下能幸、星田英利が、行きつけのスナックのママを安藤玉恵が演じている。

 

コミカルでありながら、観た後は心があたたまる。

独自の世界観を築く注目の存在、片桐健滋監督最新作

監督を務めるのは、「TSUTAYA CREATORS‘ PROGRAM FILM 2015」で準グランプリを獲得し、自身初の長編映画となった『ルームロンダリング』(18)が話題を集めた注目の新鋭・片桐健滋。助監督として崔洋一や中村義洋、廣木隆一などの多くの映画監督の作品に携わり、培ってきた演出力とフランスで映画編集を学んだ経験を活かし、独自の視点で物事をコミカルに切り取る作風が注目されている。西島秀俊と内野聖陽がダブル主演を務め、第101回ザ・テレビジョンドラマアカデミー賞監督賞を受賞するなど話題を集めたドラマ24「きのう何食べた?」(19/TX)では、7~9話を監督した。
共同で脚本を担当したのは、脚本家や漫才作家としても活躍する3人組お笑いユニット「ザ・プラン9」の久馬歩。原作の雰囲気を守りつつ、オリジナル要素を加え、つらい体験や哀しい出来事をコミカルに仕上げている。

 

STORY

田所サキは、父のトシフミ、母のサエコ、妹のフミと4人で暮らしている。どこにでもある、至って普通の家庭。よその家庭と違っていたのは、父がアルコールに溺れていることと、母が新興宗教の信者であること。田所家毎晩の一家団欒は、酔った“化け物”の介抱。毎朝家を出て仕事に行く時とは別人になって帰ってくる父を迎える日は、壁に掛けたカレンダーに赤いマジックで×印をつける精一杯のいやがらせをするのがサキの習慣だった。
週末や夏休みも、記憶にあるのは酔った父の姿。プールに行く約束をしても、飲み仲間たちが家に押し寄せ、リビングはたちまち雀荘になってしまう。そんな中母はというと、せっせとお酒を作りながら、祭壇に向かって勤行。翌日、父は二日酔いでプールに行く約束はもちろん果たせず、酔っ払って床でクロールをしていた。クリスマスにサンタさんがやってくることを期待しても、2階のベランダから入ってきたのは酔って化け物になった父だった。

高校生になったサキ。相変わらずお酒に溺れる父だったが、母はそんな生活に限界を迎え、父の誕生日に家族の前から消えてしまう。母がいなくなってしまったことで自分を責め、自分の気持ちに蓋をしていくサキ。お酒を飲むことをやめた父は、サキとフミのために晩御飯も作るようになる。しかしそんな日々も長くは続かない。新作ワインの解禁とともにお酒も解禁してしまう父。綺麗だったカレンダーにも赤い×印がだんだんと増えていき、再び毎日のように酔っ払って帰ってくるようになる。
再び訪れる“化け物”との日常の中、サキが唯一楽しめたのは漫画を描いている時間。酔っ払った父のエピソードを描いた漫画は、親友のジュンやその友達にも好評で、サキにとって心の拠り所になっていた。

高校を卒業したものの、自分の進路を見つけられないサキ。父の飲酒はエスカレートし、毎日記憶をなくすほどアルコールに溺れていた。いくらお酒をやめてと訴えてもまるで聞かない父に対して無関心になろうと決め、寂しさを恋愛で埋めるサキ。しかし、付き合った彼氏はとんでもないDV男だった。「こんな自分でも好きって言ってくれる」と、自分の感情に蓋をして全てを受け入れ続けるサキ。ついにはプロポーズを受けてしまうが、自分は愛されていないということに気がつき、別れを決断する。
恋愛や漫画に没頭し、父のことは考えまいと無視して過ごしていた数年の間に、病が父を蝕んでいた。医者が言い渡した余命は半年。突然でありながら、あっけない病気の発覚に何も考えられないサキ。そんな彼女に妹と親友が寄り添い、支えるが、父が借金を作っていたことを知り、今まで抱えていた気持ちをぶつけてしまうー。

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