INTRODUCTION
2019年に公開された監督作『愛がなんだ』が、若い女性から絶大な支持を受けた今泉力哉監督。恋愛映画の旗手として揺るぎないポジションを確立し、群像劇『アイネクライネナハトムジーク』や、コメディードラマ「時効警察はじめました」など、新境地へ精力的に挑んでいる。そんな今泉監督の新作映画は、かつて恋人同士だった男性二人の、8年ぶりの再会から物語がスタートする。
迅を演じるのは宮沢氷魚。連続ドラマ「偽装不倫」で杏の相手役を演じ、センセーションを巻き起こした宮沢が、持ち前の繊細さと品性を最大限に活かし、静かに葛藤する主人公を体現する。迅を振り回す渚に扮したのは、『ケンとカズ』や『全員死刑』といったエッジの立った作品で爪痕を残してきた藤原季節。俳優としてのタイプは異なるが、演じることへの真摯さを共有する彼らは、自分たちの大切なもののために勇気を出して立ち上がる迅と渚を演じきった。