INTRODUCTION

圧倒的なカリスマ性と才能を携え映画界を駆け抜けてきたグザヴィエ・ドラン。30代を迎えた今、デビューから一貫して描いてきた”母と子”というテーマから一新、痛いまでの純愛を真正面から描き、自らの手で新たな章の幕を上げた。「これは純粋なロマンス。ずっとやりたかったラブストーリーなんだ。」と語るように本作では誰もが知っている恋する感情を映し出す。恋と友情の狭間で揺れる二人の主人公、彼らを見守る仲間たち―― 全編に響き渡るピアノの旋律と柔らかな色彩と光で織りなす眩い映像が、登場人物たちの言葉にできない気持ちを物語っている。

STORY

30歳のマティアス(ガブリエル・ダルメイダ・フレイタス)とマキシム(グザヴィエ・ドラン)は幼馴染。その日も一緒に仲間のパーティへ向かうが、そこで彼らを待ち受けていたのは友達の妹からの、あるお願い。彼女の撮る短編映画で男性同士のキスシーンを演じることになった二人だが、その偶然のキスをきっかけに秘めていた互いへの気持ちに気付き始める。美しい婚約者のいるマティアスは、思いもよらぬ相手へ芽生えた感情と衝動に戸惑いを隠せない。一方、マキシムはこれまでの友情が壊れてしまうことを恐れ、想いを告げずにオーストラリアへと旅立つ準備をしていた。迫る別れの日を目前に、二人は抑えることのできない本当の想いを確かめようとするのだがー。