監督・脚本 石井裕也 × 主演 池松壮亮 × 原作 平野啓一郎
時代の進化が著しい“今“描かれるべき傑作小説、映画化!
テクノロジーは、人間の心を再現できるのか――。
“自由死”を選んだ母の“本当の心”を知るために、AIで彼女を蘇らせる…。
「大事な話があるの」――そう言い残して急逝した母が、実は“自由死”を選んでいた。
幸せそうに見えた母は、なぜ自ら死を望んでいたのか…。
どうしても母の本心が知りたい息子の朔也は、
最先端のAI企業に「母を作ってほしい」と依頼する。
テクノロジーは、人の心を再現できるのか――。
ただ、母の本当の心を知りたかっただけなのに、朔也は自分の心や尊厳さえも見失っていく。
『月』で各映画賞を総なめにした石井監督が、発展し続けるデジタル化社会の功罪を鋭く描写。時代の迷子になった青年を通し、我々が得た もの・失ったものを一つひとつ掬い取り、真摯な問いを突き付ける。
主演を務めるのは、近年ますます活動領域を拡張している俳優・池松壮亮。時代に置いてけぼりにされた青年・石川朔也を、あえて地に足の着かない不安定な演技で見事に体現すれば、数多くの名作映画に出演してきた俳優・田中裕子が朔也の母・秋子に扮し、生身/VF(ヴァーチャル・フィギュア)未知の“2役”に挑む。
そして、俳優として成長著しい三吉彩花が、母の素顔を知るキーパーソンであり、過去の傷を抱えるミステリアスな女性・三好を好演。さらに、妻夫木聡、綾野剛、田中泯、水上恒司、仲野太賀といった日本映画界のオールスターキャストが集結、各々の際立つ個性×意外な役どころの化学反応に期待が高まる。
名実ともに日本映画界を牽引する俳優たちが集った本作の原作は、1999年、「日蝕」で第120回芥川賞を受賞した小説家・平野啓一郎が「マチネの終わりに」「ある男」に続き、2021年に発表した渾身の傑作長編小説。現代人が直面している課題を浮き彫りにし、愛と幸福の真実を問いかける平野文学の到達点となる名作である。
AIや仮想空間、日々著しく進化するテクノロジーが日本のみならず世界中を席巻し、生活様式が目まぐるしく変貌していく時代を彷徨う人間の【心】と【本質】を描いた、革新的なヒューマンミステリーが誕生した。