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  • 光と闇と運動を求める三宅唱の歩みは留まるところを知らず、この国ではもはや他の追随を許していない(が、何とかついていきたい)。
    『ケイコ 目を澄ませて』は流れる時間を柔らかにフィルムへと定着させた傑作だ。
    岸井ゆきのの瞳の輝きと、手と腕の動きとともに渦を巻くような粒子の蠢きを存分に感じるには大画面で見る以外の選択肢はない。 濱口竜介(映画監督)
  • 岸井ゆきのは、間違いなく天才! ボクシングは練習の積み重ね。 地味な努力を継続する才能が必要。 岸井さんが、ケイコさんが積み重ねた、その日々に泣いた。
    静かな世界が、こんなに熱く、美しいなんて。間違いなく傑作! 𠮷田恵輔(映画監督)
  • 1作ごとに驚異的な進化をとげる三宅唱の現時点での最高傑作。
    いろいろと素晴らしい点は多いが、特に日記の使い方に感動した。 市山尚三(東京国際映画祭プログラミング・ディレクター)
  • ケイコの一挙手一投足、その表情から目が離せない。
    そして彼女には聞こえないはずの音が彼女を通してこんなにも強く響いてくる。
    ひとつの動きがもうひとつの動きを導く、リズムを踏んで、まるでフレッド・アステアが導くダンスのように。
    あなたの呼吸、あなたの動きにこの闇の中、この光の中で目を澄ましていきたい。 坂本安美(アンスティチュ・フランセ日本 映画プログラム主任)
  • 素晴らしかった。あっという間の99分。
    岸井ゆきのの強さと熱さと怒りと悲しさに、一瞬も目が離せない。
    小さな小さな映画なのに、とんでもないパンチを胸に打ち込んでくる。
    しっかり痛いし、その痛みはきっと誰かの人生を変えるだろう。
    こういうのを代表作っていうんだろうな。 佐久間宣行(テレビプロデューサー)
  • 岸井ゆきのは、拳だ。
    彼女の貌からは、拳の音が聴こえる。
    このフィルムは、蕾だ。
    握った拳に、花を咲かせる蕾。
    拳と蕾のメロウな接近遭遇に、鼓動が鳴りやまない。 相田冬二(Bleu et Rose/映画批評家)
  • 氷の音、水道の音、雨の音、川の音。水が媒介するように室内から外へと拡がる音響空間に恵みを感じる。一方、この映画にはサイレントの位相がある。音が届かないケイコは「目を澄ませて」、朝の光が川面に反射し、夜の列車が光を明滅させ、橋の下にまだら模様を作るような、光と影の響き合う世界に身体を浸す。グローブとミット、拳と空気の共振れはダンスの身ぶりのよう。痛覚と愉楽が混在したその生の闘いは、岸井ゆきのと三宅唱監督の闘いでもある。 後藤岳史(映画ライター)
  • 誰かの動きをじっと見つめること。
    その身ぶりを正確に覚え再現すること。
    ただそれだけを、彼女は何度も何度もくりかえす。
    立ち止まり、それでも観察と再現を重ね、やがて顔をあげて走り出す。
    映画を見るとはこういうことだ。
    その単純さ、その尊さに、ぐちゃぐちゃに泣いてしまった。 月永理絵(ライター、編集者)
  • ケイコに<声>はない。けれど、彼女の<まなざし>は情熱や葛藤、憤りや哀しみを雄弁に可視化させる。まるで、かつて映画が無声として始まった歴史に倣いながら、<声>を“想像”≠“創造”させているかのようだ。 松崎健夫(映画評論家)
  • 純度の高い映画を撮ろう、という澄明な意志の強さに涙が出る。
    岸井ゆきのの顔、あるいは肉体に宿った「無」への探究。
    我々も目を、そして耳を澄ます。史上最もエレガントでハングリーなボクシング映画かも。 森直人(映画評論家)
  • 岸井ゆきのは食べっぷりがすごいと共通の知人から聞いたことがある。ちっちゃい体にエネルギーを溜め込み、機を見て爆発する彼女はボクサーそのものだ。まるでコヨーテのように本能のまま相手に襲い掛かるゆきの/ケイコの躍動を三宅唱が持ち前のリズム感で捉え、エモーショナルなパンチが胸に突き刺さる快作。 矢田部吉彦(映画プロデューサー)
  • 三宅唱監督の新作映画は、無駄なものを削ぎ、私たちの社会の中心に横たわる何か、つまりすべての人が限界を超えてでも自分を表現できる可能性を描く。岸井ゆきのが放つ圧倒的熱量に、心が動かされる。 カルロ・シャトリアン
    (ベルリン国際映画祭アーティスティック・ディレクター)