主人公・創太を演じるのは、自身もプロボクサーの経歴を持つ木幡竜。
プロボクサー、サラリーマンを経て一念発起で俳優を志すも芽が出ず不遇の時代を過ごしたが、オーディションで出演を勝ち取った中国映画『南京!南京!』(09)で高い評価を得ると、単身中国に渡り、翌年のアンドリュー・ラウ監督の『レジェンド・オブ・フィスト 怒りの鉄拳』でドニー・イェンと死闘を演じる悪玉のトップを演じ一躍注目を浴びる。以来、中国を拠点に映画やドラマに出演。近年は『サムライマラソン』(19)で長谷川博己の敵役として、昨年は綾野剛主演のドラマ「アバランチ」で“最狂の敵”を演じ、遂に初主演作に辿り着いた。
これまでのアクション俳優たちと渡り合ったキャリアを武器に、過酷な減量とトレーニングで体脂肪率3%まで搾り上げた鋼のような肉体が魅せる本格アクションは、まさに規格外!
監督・脚本を務めたのは、『くそガキの告白』(12)がゆうばり国際ファンタスティック映画祭で審査員特別賞ほか4冠を獲得した鈴木太一。アクション監督には『ベイビーわるきゅーれ』(21)の園村健介。共演には鎌滝恵利、今野浩喜、栁俊太郎、長井短、銀粉蝶、火野正平など個性豊かな実力派が顔を揃えた。
相手にがむしゃらに向かって行くファイトスタイルで人気を博したプロボクサー・楠木創太。
しかし長年の闘いが体を蝕み、ドクターストップによって強制的に引退を迫られる。引退を機に恋人・幸子と結婚し、新しい生活をスタートさせるが、社会では全く役に立たず厳しい現実を痛感させられる。
悶々とした日々を過ごすある日、創太のファンだと名乗る謎の男から大金を賭けて戦う、欲望うずめく地下格闘技へのオファーを受ける・・・。
もう一度闘えることに、忘れかけた興奮が蘇り、空っぽの自分を埋めるように沸き立つアドレナリン。闘うことに取り憑かれた男の狂気と愚直なまでの生き様は果たしてハッピーエンドとなるか、バッドエンドとなるか?
昨年放送された、綾野剛主演のドラマ「アバランチ」では、綾野演じる主人公の“最狂の敵”を演じ、そのキレの良いアクションと独特の存在感で注目を集めた。本作でも、今までの日本のアクション映画の常識を覆す、演技を超えた本物の格闘を披露、まるでリングの上にいるかのような臨場感溢れる死闘を繰り広げている。
キャスト
木幡竜
/楠木創太役
1976年9月12日、神奈川県出身。プロボクシングB級ライセンスを所持し、プロボクサーとして活躍後、03 年に俳優デビュー。2009年の中国映画『南京!南京!』で見出され、単身中国へ活動の拠点を移す。その後、さまざまな中国映画、ドラマに出演。アンドリュー・ラウ監督の『レジェンド・オブ・フィスト 怒りの鉄拳』(11)では、ドニー・イェン、スー・チー、アンソニー・ウォンらと並んで悪玉のトップを演じた。日本人としては珍しく中国人の役も演じるようになり、ゴードン・チャン、フォン・シャオガン監督らの作品に次々と出演している。テレビドラマ「紅いコーリャン」(89)では、中国のトップ女優ジョウ・シュンとも共演を果たしている。日本では2019年に公開された『サムライマラソン』(バーナード・ローズ監督)で、俳優の長谷川博己演じる藩主を狙う刺客役を演じたほか、2021年に放送された綾野剛主演のフジテレビ系ドラマ「アバランチ」で、綾野演じる主人公が唯一倒せない強敵の、秘密組織“極東リサーチ”のメンバー・貝原を演じ、そのキレの良いアクションと独特の存在感で注目を集めた。
コメント
この映画はいろんな意味で僕自身の人生が詰まったものになったと思います。このような役を頂けたことに感謝し、全身全霊でやりとげました。スポーツ選手は全員が引退を経験します。引退したボクサーは次に何をやればいいのか分からず、さまよう人間も少なくありません。本当の幸せとは何なのか。リングでしか生きられない武骨な男と、そんな男を見守り続けた女の強さに刮目ください!鎌滝恵利
/楠木幸子役
1995年4月7日、東京都出身。2011年、フジテレビ「その顔が見てみたいSP」に”セクシーな大人にしか見えない中学生”として出演。同年開催の2012ミス・ティーン・ジャパンで1,700人の中から準グランプリに輝き、モデルをメインとした芸能活動を本格化させる。2019年、園子温脚本・演出のNetflixオリジナル映画『愛なき森で叫べ』のヒロインに抜擢。映画『子どもたちをよろしく』(20/隅田靖監督)では義父から性暴力を受けながらデリヘルで働くという難しい役を体当たりで演じるなど、女優としても目覚ましい活躍を見せている。2021年初舞台となった『いとしの儚』でもヒロイン・儚役を好演。
今野浩喜
/松岡健児役
1978年12月12日、埼玉県出身。元お笑い芸人として活躍。コンビ解散後は俳優として数多くのテレビドラマや舞台に出演。2015年TBS「下町ロケット」、2016年日本テレビ「お迎えデス。」など話題作に出演。2012年映画『くそガキの告白』(鈴木太一監督)では主演を務め、ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2012ベストアクター賞、ファンタランド大賞「人物部門」をW受賞。その他、映画『珍遊記』(16/山口雄大監督)、映画『きまじめ楽隊のぼんやり戦争』(21/池田暁監督)など、ドラマ、映画、CMなどで俳優として幅広く活躍している。
栁俊太郎
/新堂勇役
1991年5月16日、宮城県出身。09年に「MEN’S NON-NO」モデルグランプリを受賞。モデルとして活躍しながら12年俳優デビュー。近年の主な映画出演作に、『デメキン』(17/山口義高監督)、『勝手にふるえてろ』(17/大九明子監督)、『チェリーボーイズ』(18/西海謙一郎監督)、『LAPSE ラプス』(19/志真健太郎監督)、『東京喰種 トーキョーグール【S】』(19/川崎拓也監督/平牧和彦監督)、『おいしい家族』(19/ふくだももこ監督)、『見えない目撃者』(19/森淳一監督)、『弱虫ペダル』(20/三木康一郎監督)、『猿楽町で会いましょう』(21/児山隆監督)などがある。2022年はドラマ「ヒル」(WOWOW)、Netflix映画『桜のような僕の恋人』に出演中(Netflix配信中/深川栄洋監督)、6月24日には『神は見返りを求める』(𠮷田恵輔監督)が公開決定。
渡辺紘文
/コウジ役
1982年、栃木県生まれ。映画監督、脚本家、映画プロデューサー、俳優など幅広く活動。2013年に大田原愚豚舎を旗揚げ。初長編作品として『そして泥船はゆく』を製作し、国内外の映画祭に次々と出品され大きな反響を呼ぶ。2016年製作の『プールサイドマン』は第29回東京国際映画祭日本映画スプラッシュ部門で“作品賞”を受賞した他、国内外で多数の賞を受賞。2019年、製作・脚本・監督・主演を務めた『叫び声』は東京国際映画祭日本映画スプラッシュ部門の監督賞を受賞した。また俳優としての出演作に『喜劇 愛妻物語』(20/足立紳監督)、『アンダードッグ』(20/武正晴監督)、『街の上で』(21/今泉力哉監督)などがある。
長井短
/松岡絵美役
1993年9月27日生まれ、東京都出身。高校卒業後、劇団に所属し演劇活動を始める。主な出演作として、舞台「プレイヤー」(17/長塚圭史演出)や、映画「街の下で」(今泉力哉、玉田真也演出)、「グッドバイ」(20/生瀬勝久)、TV「アンラッキーガール」(21)「武士スタント逢坂くん!」(21)「時をかけるバンド」(20)などに出演。ショートフィルム『時ノカケラ』(14/真壁幸紀)で映画デビューを飾ると、近年では『あの日々の話』(19/玉田真也監督)、『耳を腐らせるほどの愛』(19年/豊島圭介監督)、『僕の好きな女の子』(20/玉田真也監督)、『地獄の花園』(21/関和亮)などに出演。演劇活動のほか、モデル、執筆業もこなしマルチな才能で幅広く活躍している。
黒田大輔
/高田春男役
1977年12月9日生まれ、千葉県出身。2003年より劇団「THE SHAMPOO HAT」に所属し劇団員として俳優活動を始める。劇団五反田団の公演にも多数参加している。『La fuosaje ラ・フォサージュ ~愛をつく女~』(05/沖田修一監督、前田司郎監督)で映画初出演を果たすと、『天然コケッコー』(07/山下敦弘監督)、『ぐるりのこと。』(08/橋口亮輔監督)、『鍵泥棒のメソッド』(12/内田けんじ監督)、『横道世之介』(13/沖田修一監督)など数々の話題作に出演し、日本映画に欠かせない名脇役として活躍している。『恋人たち』(15/橋口亮輔監督)で第30回高崎映画祭の最優秀助演男優賞を受賞。近年の主な作品に、『さがす』(22/片山慎三監督)、『川っぺりムコリッタ』(22/荻上直子監督)などがある。
松本亮
/ボクサー役
1994年1月11日、神奈川県出身。大橋ボクシングジム所属のプロボクサー。元プロボクサーの父を持ち、中学3年の時に第1回全国U-15ジュニアボクシング大会に出場し優勝。その後もボクシング名門校である、横浜高校のボクシング部に所属し、インターハイを連覇するなど数多くの大会で優勝した。プロデビュー後も数々の大会で優勝し、戦歴は56戦53勝(39KO)3敗。第34代東洋太平洋スーパーフライ級の王座を獲得した。
三元雅芸
/剛力役
1977年5月3日生まれ、大阪府出身。スタントマンとしてキャリアを積み、2003年から俳優業をスタート。『HYDRA』(19/園村健介)で初主演を果たした。主な出演作として、映画『デスノート the Last name』(06/金子修介監督)、『るろうに剣心 京都大火編』(14/大友啓史監督)、『キングダム』(19/佐藤信介監督)、『初恋』(20/三池崇史監督)、『ブレイブ 群青戦記』(21/本広克行監督)、『ザ・ファブル 殺さない殺し屋』(21/江口カン監督)、『ベイビーわるきゅーれ』(21/阪元裕吾)、『燃えよ剣』(21/原田眞人監督)、テレビドラマ「ビーバップ・ハイスクール」(04/TBS)、「MIU404」(20/TBS)、「エール」(97/NHK)などがある。アクションに定評があり、『HYDRA』では海外のアクション映画祭で多数の賞を受賞している。多くの映画、テレビドラマ、CMに出演している他、ゲーム「戦国バサラ」シリーズや「龍が如く」シリーズなどで、キャラクターのモーションキャプチャーを担当するなど幅広く活躍している。
銀粉蝶
/楠木光子役
1981年代初頭、劇作家・演出家の生田萬と共に劇団『ブリキの自発団』を創立。独特な個性と実力を兼ね備えた俳優として、数々の映画、テレビドラマ、舞台に出演。主な出演作に、映画では、『ふがいない僕は空を見た』(12/タナダユキ監督)、『ぼくのおじさん』(16/山下敦弘監督)、『ねことじいちゃん』(19/岩合光昭監督)、『哀愁しんでれら』(21/渡部亮平監督)、『あのこは貴族』(21/岨手由貴子監督)、『大怪獣のあとしまつ』(22/三木聡監督)、テレビドラマでは、大河ドラマ「花燃ゆ」(15/NHK)、「奥様は、取り扱い注意」(17/NTV)、連続テレビ小説「わろてんか」(17/NHK)、大河ドラマ「麒麟がくる」(20/NHK)、「#コールドゲーム」(21/CX)、舞台では「100万回生きたねこ」(15/インバル・ピント演出)、「贋作 桜の森の満開の下」(18/野田秀樹演出)、「忘れてもらえないの歌」(19/福原充則演出)、「ねじまき鳥クロニクル」(20/インバル・ピント演出)、「女の一生」(20/段田安則演出)、「Home, Iʻm Darling 〜愛しのマイホーム〜」(21/白井晃演出)、『シラノ・ド・ベルジュラック』 (22/谷賢一演出)など多数。2010年、『第18回 読売演劇大賞』で優秀女優賞を受賞。
火野正平
/海藤会長役
1949年5月30日生まれ、東京都出身。12歳のころから劇団「こまどり」に所属し、「少年探偵団」(62/CX)でデビュー。大河ドラマ「国盗り物語」(73/NHK)で秀吉役を演じ注目を集め、『俺の血は他人の血』(74/舛田利雄監督)で映画初出演・初主演を果たした。主な出演作に映画『大奥』(06/林徹監督)『そこのみにて光輝く』(14/呉美保監督)、『Fukushima 50』(20/若松節朗監督)、ドラマ『新・必殺仕置人』(77/EX)、『長七郎江戸日記』(83/NTV)、『anone』(18/NTV)などがある。近年では『終戦のエンペラー』(13/ピーター・ウェーバー監督)、『空海-KU-KAI- 美しき王妃の謎』(17/チェン・カイコー監督)など、海外作品にも出演している。また、歌手としての一面も持ち、長年にわたり音楽活動を続けていたり、2011年からは『にっぽん縦断 こころ旅』(NHK BSP、BS4K)で自転車で全国を巡る旅人を務めるなど、マルチに活躍している。2021年、映画『罪の声』で第30回日本映画批評家大賞授賞式でゴールデン・グローリー賞(水野晴郎賞)を受賞した。
スタッフ
アクション監督:
園村健介
1981年1月4日、宮城県出身。学生時代に倉田アクションクラブに入団、スタントの基礎を学ぶ。退団後、数々の作品でスタントプレイヤーとして活動しつつ『LOVE DEATH』(07/北村龍平監督)にてアクション監督としてデビュー。その後は映画、TV、ゲーム等でアクション監督として活動中。主なアクション監督作品にジョン・ウー監督作『マンハント』(18)、ドラマ『コードネームミラージュ』(17/TX)、押井守監督作『THE NEXT GENERATION パトレイバー』シリーズ(14〜15)、フルCG映画『バイオハザード』シリーズ(08、12、17)、『ベイビーわるきゅーれ』(21/阪元裕吾監督)他多数。ゲーム『戦国BASARA 真田幸村伝』(16)ではムービー監督を務め、カット・シーン全体の演出を手がける。共同プロデューサーを兼任した『BUSHIDO MAN』(13/辻本貴則監督)はモントリオール他、世界10ヶ所の映画祭に正式招待され、ジャパンアクションアワード2014に於いてベストアクション作品賞、他三部門を受賞。『東京無国籍少女』(15/押井守監督)、『マンハント』にてジャパンアクションアワードベストアクション監督賞受賞。
音楽:
34423(Miyoshi Fumi)
東京在住のトラックメイカー。幼少より録音機器やシンセサイザーに魅了され、硬質なビートと自由な発想で音素材をコラージュし作曲、ライブ活動を続けている。容姿と相対する硬派なサウンドと鮮烈なヴィジュアルイメージで注目を集め、2013年に1st Album『Tough and Tender』でデビュー。国内だけではなく、国外での映像や音楽のコラボレーション作品も多く、2021年にはカセットでアメリカのForgot Imprintより3rdアルバムをリリース。アーティスト活動の他に音楽レーベル、HEXODD、プロダクトブランドHEDを同時に立ち上げクリエイティブな活動もスタート。2022年3月に、CDやカセットなどのフィジカルリリースではなくSHOW CASEとしての初リリースを披露する。常に音楽のイメージを拡張する展開を意欲的に行っている。また、鈴木光司原作のホラー映画『アイズ』、田中佑和監督長編映画『青春群青色の夏』、鈴木太一監督作品など多岐にわたる映画の劇伴や、広告音楽、サウンドロゴなどの作編曲を手掛けている。
撮影:
高木風太
主な作品に、『セトウツミ』(16/大森立嗣監督)、『不能犯』(18/白石晃士監督)、『ハードコア』(18/山下敦弘監督)、『小さな恋のうた』(19/橋本光二郎監督)、『見えない目撃者』(19/森淳一監督)、『ブラック校則』(19/菅原伸太郎監督)、『くれなずめ』(21/松居大悟監督)、『浅草キッド』(21/劇団ひとり)などがある。
照明:
秋山恵二郎
主な作品に、『ハッピーアワー』(15/濱口竜介監督)、『セトウツミ』(16/大森立嗣監督)、『きみの鳥はうたえる』(18/三宅唱監督)、『ハードコア』(18/山下敦弘監督)、『小さな恋のうた』(19/橋本光二郎監督)、『さよならくちびる』(19/塩田明彦監督)、『ブラック校則』(19/菅原伸太郎監督)、『人数の町』(20/荒木伸二監督)、『佐々木、イン、マイマイン』(20/内山拓也監督)、『くれなずめ』(21/松居大悟監督)、『花束みたいな恋をした』(21/土井裕泰監督)などがある。
録音:
岡本立洋
『青い魚』(98)、『真昼ノ星空』(04)、『群青 愛が沈んだ海の色』(09)など数多くの中川陽介監督作品に携わる。その他の作品に『東京に来たばかり』(13/ジャン・チンミン監督)、『星ガ丘ワンダーランド』(16/柳沢翔監督)、『オケ老人!』(16/細川徹監督)、『青の帰り道』(18/藤井道人監督)、『悪と仮面のルール』(18/中村哲平監督)、『ヒキタさん! ご懐妊ですよ』(19/細川徹監督)、『いちごの唄』(19/菅原伸太郎監督)、『宇宙でいちばんあかるい屋根』(20/藤井道人監督)などがある。
美術・装飾:
中澤正英
主な作品に、『バーバー吉野』(04/荻上直子監督)、『パッチギ! LOVE&PEACE』(07/井筒和幸監督)、『八日目の蝉』(11/成島出監督)、『がじまる食堂の恋』(14/大谷健太郎監督)、『ボクは坊さん。』(15/真壁幸紀監督)、『前田建設ファンタジー営業部』(20/英勉監督)、『樹海村』(21/清水崇監督)、『あの頃。』(20/今泉力哉監督)、『ホムンクルス』(21/清水崇監督)、『KAPPEI カッペイ』(22/平野隆監督)、『渇水』(22/高橋正弥監督)などがある。
著名人コメント
(50音順)
ボクシングの虫に刺されたら、一生ボクシングの血が流れるんやて。
主人公はアクションも日常も、カラダ全部からボクシングが溢れ出てる。
演技?ホンマ?ウソやろ!すごいで!
赤井英和
(俳優・元プロボクサー)
闘っている姿と、闘いから離れた姿の違いに、本当に同一人物なのかと驚いた。 この世界はひとつしかないはずなのに、激動に触れた人が見る世界と、触れなかった人が見る世界はまるで違う。己の肉体を滾らせる興奮の正体を、私は知ることができるだろうか。
伊澤彩織
(スタントパフォーマー)
当時一緒に世界を目指した木幡が、スクリーンでボクサーの役をやるとは思いもよりませんでした。
もうボクサーでない木幡が誰よりもボクサーに見える。
セカンドキャリア、その切実さと闘いのリアルを打ち出せるのは彼しかいなかったと思います。
いい映画でした。
大橋秀行
(大橋ボクシングジム会長)
他人に俺の人生終わらされてたまるか。 同じ叫びを一体何人のボクサーから聞いただろう。 越えるべきでない一線を越えてでも戦うことから自分を引き剥がせない創太の選択は、ひたすら愚かで罪深いのか、それとも理想か。 人生は誰のものか、お前はきちんと生きているかと、破顔する創太が激しく揺さぶりをかけてくる。
加茂佳子
(ボクシングライター)
不屈の精神さえあれば、人生は何度もやり直せることを、改めて教えてくれる一本! 不器用すぎる男たちの生き様に泣き笑いしつつ、『ロッキー』を初めて観たときの情熱や初期衝動が呼び起こされた!!
くれい響
(映画評論家)
なんだ?この胸が締めつけられる想いは?しかし清々しいラストに感動する。 不器用な大人たちが「生きる場所」を求め踠き苦しむ。その先には本人にしか理解できない「生きる意味」がある。改めて自分の生き方に自問自答する。俺の魂は呼吸をしているか?格闘シーンもリアリティと説得力があり、命を削り創太を演じた木幡竜さんに涙する。人生に立ち止まっている人達に観てもらいたい作品
下村勇二
(アクション監督)
こんな男には絶対なりたくない!でも、なるしかない。生きるために。 格闘技ファンだけでなく、一度でも夢を追ったことのある者は腹を括って観よう。 とりあえず彼氏の部屋に「ロッキー」のビデオがあったなら、彼女も腹を括ろう!
神宮寺しし丸
(芸人)
映画を何のために見るのか?
「生きてて良かった」
究極、その言葉を放つためだ。
令和の時代に──。
『ロッキー』×『あしたのジョー』
=ありきたり。
俳優、演出、撮影、殺陣、余韻……。
すべてがそんな予断を超えていた。
観客は皆、客席で呟くだろう。
「この映画を見るため、生きてて良かった!!!」
水道橋博士
(お笑い芸人、タレント)
格闘シーンが本当にリアルで、本当に戦ってますよね?生のボクシング、総合格闘技を見ているような感覚になり、見ているこっちまで応援したくなりました。 ストーリーが進むにつれ物語にもどんどん引き込まれハラハラドキドキ、とても楽しく観させて頂きました。
祐真キキ
(女優)
この映画の中で生きる人々は、確かに血が通っていました。 生々しい格闘シーンも、あの名作をオマージュするシーンも、 観客を虜にするに違いない。木幡竜さんのファンになりました。
武田梨奈
(女優)
映画監督鈴木太一には、美しいものに対する憧れと、そんな綺麗に舗装された道は歩きたくないというひねくれた願望とが同居する。
弱いものに対するシンパシーと、弱いものが気づかずに振り回してしまう暴力が同居する。
その結果、作品は不器用にガッタンガッタンノッキングしまくるのだが、なにか訳のわからないエネルギーだけが溢れ出るのである。
豊島圭介
(映画監督・鈴木太一の友人)
砂に足を取られ、うまく前へ進めない。突然そんな焦燥に襲われるのは、渡世という名の“影”が己の背中を引っ張るからだ。自身の価値観が時代の流れに寄り添い続けるとは限らない。人生は闘いの連続なのだ。平穏に抗う愚直な血潮が、この映画には漲っている。
松崎健夫
(映画評論家)
プロボクサーでもあった主演俳優と優秀なアクション監督が映し出す 『本物の格闘』は、文句なく素晴らしい! しかし私は『ラブストーリー』としか受け取れなかった、今も切ない…。
水田伸生
(映画監督・演出家)
全身これ意志の塊。
そんな俳優を初めて目撃した。
自分が演じ切るのだという凶器のような木幡氏の意志に圧倒された。
言葉と表情だけじゃない、意志も含めて演技なのだと、演じることに関わる全ての者に突きつけてくる。
矢柴俊博
(俳優)
不器用なロッキーに憧れた、ロッキーより不器用な男 魂削らないと辿り着けない、本物のボクシングシーン。 夢や愛や勝ちや負け、面倒臭い全てが詰まったピュアな映画。
𠮷田恵輔
(映画監督)
木幡竜の真っ向勝負。リングでしか生きられないボクサー。フレームとリングが重なる。全部の思いが刻まれているんじゃないかと思う。木幡君の本気が写っている。受けて立っている、鈴木監督や、皆んなが写っている。みんなロッキーになりたい。私だって、ロッキーになりたい。エイドリアンではなくてロッキーなんだ。 不器用な男が、自分の選んだ道を確かめたい。その全身全霊を込めた思いを感じてほしい。
渡辺真紀子
(俳優)
注目すべきは、約2か月で体重を10kg落とし、 体脂肪率3%まで仕上げたという、 木幡竜のストイックなカラダ作り。 まさしく“命懸け”の映画だ。
Tarzan編集部
―Tarzan 832号「JUNGLE GYM」ページより抜粋
1976年6月16日、東京都出身。早稲田大学第二文学部卒業後、ENBUゼミナールにて映画制作を学ぶ。その後、篠原哲雄監督に師事。2011年、監督・脚本で『くそガキの告白』を制作し、長編映画デビューした。同作でゆうばり国際ファンタスティック映画祭審査員特別賞、シネガーアワード賞、ベストアクター賞、ゆうばりファンタランド大賞(人物部門)の4冠受賞を達成する。その後、テレビドラマなどの映像作品に監督・脚本で携わる。主な作品に、ドラマ24「みんな!エスパーだよ!」(13)、BSスカパー!「PANIC IN」(15)、テレビ朝日「豆腐プロレス」(17)(脚本のみ)、キネカ大森先付けムービー「もぎりさん session2」(19)、オムニバス映画『THEATERS』(2022年公開予定)など。
早くこの映画を創りたい!と切に切に願った6年以上の年月を、僕も木幡さんもジリジリと過ごし、その思いを一気に吐き出しました。まだまだ未熟者の二人でしたが、多くの熟練者の方々に支えていただき、ここまで辿り着きました。
しんどいことも多い世の中、思うようには生きられない、それでも最後は生きててよかったと笑いたい、そんなことを、今、思います。よろしくお願いいたします。