星と月は天の穴

2025年12月19日(金)テアトル新宿ほかにて全国ロードショー

綾野剛
咲耶  岬あかり 吉岡睦雄 MINAMO 原一男 / 柄本佑 / 宮下順子  田中麗奈
 
脚本・監督 荒井晴彦
原作 吉行淳之介「星と月は天の穴」(講談社文芸文庫)


エグゼクティブプロデューサー:小西啓介 プロデューサー:清水真由美 田辺隆史 ラインプロデューサー:金森 保 助監督:竹田正明
撮影:川上皓市 新家子美穂 照明:川井 稔 録音:深田 晃 美術:原田恭明 装飾:寺尾 淳 編集:洲﨑千恵子
衣裳デザイン:小笠原吉恵 ヘアメイク:永江三千子 インティマシーコーディネーター:西山ももこ 制作担当:刈屋真 キャスティングプロデューサー:杉野 剛
音楽:下田逸郎 主題歌:松井 文 写真:野村佐紀子 松山仁 アソシエイトプロデューサー:諸田創 
製作・配給:ハピネットファントム・スタジオ 制作プロダクション:キリシマ一九四五 制作協力:メディアミックス・ジャパン ©2025「星と月は天の穴」製作委員会


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NEW! 【名古屋】先行上映会 荒井晴彦監督&咲耶さん登壇 舞台挨拶オフィシャルレポート

2025/12/15 08:38 up!

「荒井さんは、チャーミング!」ヒロイン 咲耶さん 初の名古屋で舞台挨拶
立て続けに3つのラブシーンを1日で撮影、秘話語る
「原作が好きで、変えたのは2行くらい」荒井節も健在

 

公開を1週間後に控えた12月11日、名古屋 伏見ミリオン座にて、『星と月は天の穴』の先行上映会が行われ、荒井晴彦監督と本作でヒロイン 瀬川紀子を演じた咲耶さんが登壇、舞台挨拶を行った。

 

人生で二度目の舞台挨拶、そして初めて名古屋に来たという咲耶さんは満席の場内を見渡し

「こんなにたくさんいらっしゃると思ってなかったです。」と嬉しそう。初名古屋の印象を聞かれ「道が広いなぁと思って…なんだか別の街に来た感じがしました。あと、先ほどお昼に初めてひつまぶしを食べました!とてもおいしかったです。」と笑顔で答えると、それを受けて荒井監督は「10月に一度名古屋に来てその時、あんかけスパゲッティを食べたんだけど…完食できなかった」と言いにくそうに苦笑い。監督の口には合わなかったようだが、「今日は悪口禁止です」とMCに言われ、それ以上は言葉を濁し、会場の笑いを誘う。

 

荒井監督の第一印象について咲耶さんは「オーディションを受ける前は荒井さんってちょっと怖いのかなというイメージがあったり、気難しい方なのかなとか思いつつ、母(広田レオナ)から、オーディションに行く前に言われたことがあって…昔から私の母と荒井さんが知り合いで、『私、もしかしたら荒井に嫌われてるかもしれないから、オーディション落ちたら私のせいだと思う、ごめん。』って(笑)。でも、実際にオーディションでお会いしたらイメージが変わりまして、現場でもご一緒して、荒井さんはとってもチャーミングというか、かわいいおじいちゃんだなって印象に今はなっています。」とコメント。荒井監督は、幾度となく繰り返した紀子のオーディションの最後に現れた咲耶さんについて、

「やっと現れた、これだこれだ、って思って。見た瞬間にもう決まりだった。」という。

 

さらには、映画の撮影に不慣れだった咲耶さんについて、「いや、いい根性してるなと思いました。」と語った。

 

 そして、撮影中の話となり咲耶さんは「荒井組はとても温かく、映画の撮影自体は毎日楽しかったんですけど、一番大変だったのは、立て続けにラブシーンを3つのシチュエーションで会話も含めて丸一日朝から晩まで撮影した日があって、その日はハードでしたね、体力的にも。ずーっと前貼りをしていて、おなかが出ないように食事もあまりとらず、飲み物も控え、神経も張りつめていたので、途中で集中力が切れてしまい、少し現場を止めてしまったことがありました」と語ると、荒井監督もその時は「(咲耶さんの)回復を待った」と優しく振り返った。

 

綾野剛さんとの初共演について「ものすごく頼りになる先輩で、私がほとんど素人に近いものですから、技術的な面ですとか、メンタルの面ですとか、たくさんアドバイスをくださって。例えば、荒井さんが演出されるときにあまり明言されず、結構文学的な言い回しをされるんですけど、私が頭の中で?となってしまってるときに、綾野さんが『荒井さん今こういうことが言いたかったんだと思う』とか、わかりやすく説明してくださったり、撮影している中で演出が急に変わって、お芝居を変えてくださいって言われたときの対応のコツだったり、そういった技術的な面でもサポートしていただいて、大変ありがたかったです。綾野さんがお相手で幸運でした。」と咲耶さん。荒井監督も「色々考えてくる人なので。(俺の発言は)綾野が通訳してくれるし(笑)」と語り、2人の座長・綾野さんへの信頼の厚さが伺えた。

 

 最後に咲耶さんはこれから映画を観る観客の皆様へ「矢添さんのセリフなんですけど『隠していたものが顕れたとき一つのことは終わるのさ。そしてまた別のことが始まる』というのがあるんですけど、それはこの物語の登場人物全員に当てはまる台詞で、それがいったい何なのかというところに注目して見てほしいです。」と見どころを伝えつつ、「全編モノクロで、純文学が原作で、荒井さんが監督・脚本で、少し堅苦しいイメージを抱かれる方も多いと思うんですが、実は結構笑えます。私自身この作品は、割とコメディだなと思っています。気楽に、観る文学、読む映画…これは綾野さんの言葉をお借りしているんですけれども、そういう気持ちで見ていただけたらいいなと思います。」とコメント。

 

荒井監督は「普通(脚本を書くときは原作の)粗さがしをして、「原作バスター」とか言われてるんだけど、好きなもの(原作)は、なんていうか…Love is blindで、本作はほとんど原作どおり。2行ぐらいかな、原作じゃないのは。それがどこか…それが、1969年に設定を変えた理由です。ぜひ、宣伝してください。次回作に繋がるか運命がかかっているんで。もうすぐ80歳、寿命とも戦わないといけないし、まだまだ撮りたいものがいっぱいあるので、よろしくお願いします。」と荒井節の効いたメッセージで締めくくった。