INTRODUCTION
“たった7日間の恋が、永遠になる――”
アン・ハサウェイ×『プラダを着た悪魔』のスタッフが贈るラブ・ストーリー

フラニーが恋に落ちたのは、偶然出会ったツアー中のミュージシャン・ジェイムズ。
出会うはずのなかったふたりの期間限定の恋が今はじまる―。
主演のフラニー役には『レ・ミゼラブル』でアカデミー賞(R)助演女優賞に輝いたアン・ハサウェイ。本作でも可憐な歌声を披露している。また脚本に惚れ込み、主演だけでなくプロデューサーも務めている。監督デビューを果たしたのは、『プラダを着た悪魔』で監督アシスタントを務めていた、ケイト・バーカー=フロイランド。自ら書き上げた脚本をプロデューサーのジョナサン・デミに送り、そこからアン・ハサウェイをはじめ強力な制作者達が集まり、素晴らしいデビューを飾った。ニューヨークのブルックリンを舞台に、ブルックリンを象徴する音楽を使いながら、自然な街並みが描写され、都会的なムードを醸し出している。音楽を通して、予期せぬ出来事で偶然に出会った2人の恋を甘く切なく描いたラブ・ストーリー。

STORY
NY、ブルックリン
この街で、忘れられない恋をした――

フラニー(アン・ハサウェイ)はモロッコに住み、遊牧民の文化を研究しながら人類学博士号を目指している。そこへ母親のカレン(メアリー・スティーンバージェン)からミュージシャン志望の弟のヘンリー(ベン・ローゼンフィールド)が交通事故で昏睡状態にあると緊急の連絡が入る。ニューヨークに急いで戻った彼女は、何の反応もなく管とモニターに繋がれているヘンリーの病室で付き添う母親と再会する。 この事故によって再会することになった家族だったが、以前から二人とは疎遠になっていた。大学を辞めてミュージシャンになると言った弟に反対し大喧嘩になって以来だった。そして長いこと未亡人のカレンは孤独を感じながらも遠く離れたところにいる、打ち解けない娘を心配していたのだった。しかし、二人はヘンリーへの寝ずの看病を続けていくうちに打ち解けていく。

実家に戻ったフラニーは、自分が不在中のヘンリーの生活を垣間見ようと彼の部屋を覗く。ギターケースの中にCDを見つける。そこから流れてきたのはフラニーに宛てたヘンリーからのメッセージだった。今まで何度もフラニーに拒絶されていたが、今回の曲は聴いて欲しいと語っていた…。曲は美しく洗練されたものだった。ケースの中にはヘンリーが書き残したノートも入っていた。そこには彼の日々の感想、曲のアイデア、スケッチ、ちょっとした考えが記されていた。ノートの間に人気ミュージシャンのジェイムズ・フォレスター(ジョニー・フリン)のライブチケットが挟まっていた。ジェイムズのポスターはヘンリーの部屋の壁に張り巡らされていて、敬愛するミュージシャンだった。代わりにジェイムズのライブに出かけていくフラニー。ステージ上のジェイムズには謙虚で庶民的なカリスマ性があった。持ち歌の有名な曲や人気の曲を歌う彼の哀調を帯びた歌声、心を揺さぶる歌詞、ドブロ・ギターとバイオリンの重奏がファンの心を虜にする。フラニーはヘンリーの事を話すために彼に近寄り、ヘンリーの作曲したCDを渡す。ファンの一人であるヘンリーを覚えているはずもなかったが、入院先の病院を伝えて別れた。 ヘンリーの人生と彼が愛した音楽の世界をできる限り知りたいと思ったフラニーは、彼の残したノートをもとに彼が好んだアーティストやライブハウスを探し求める。全てを録音し、ヘンリーの病室で再生することで彼の意識が戻ることを願っていたのだ。 突然、ジェイムズがギターを片手に病室に現れる。ジェイムズはCDを聞いただけでなくヘンリーの才能を感じて見舞いに来たのだった。さらにフラニーの事も忘れられなかった。ジェイムズはヘンリーの脳に刺激を与えようと病室で歌い聴かせる。

フラニーとジェイムズは、オープンマイクイベントに参加したり、ブルーグラスに合わせて足踏みをしたり、古き時代のソウルを聴いたり、グリーンポイントのウオーターフロントから地平線を眺めたり、と一緒に過ごすようになってお互いに惹かれ合っていく。しかし、ジェイムズはツアーを終え、自宅であるメーン州の森にあるトレーラーに戻る日が近づいていく―。